知的謙遜と間違いを認める能力【時代と共に変化するトレーニング科学】#126

「水を飲んだらいけない」
「お酢を飲んだら体が柔らかくなる」
「筋トレをすると体が硬くなる」
「筋トレをすると動きが遅くなる」

 

今では考えられませんが、驚くべきことにこれらは過去に運動の指導の現場で普及していた教えです。

 

しかし、それから数年から数十年が経過し、科学が進歩したことによりこの様な過去の常識が間違いであったことが判明しました。

 

今の時代にこのような教えをしている指導者は少ないと思いますが、この様なパラダイムシフトが起きる時には、過去の常識と未来の常識が入り混じる過渡期が必ず存在します。

 

この過渡期での行動が非常に重要になると最近つくづくと感じています。

 

目次

科学の進化とパラダイムシフト

長い歴史から考えると、科学がここ数十年で急激な革新が起きていることは確かです。

 

しかし、現代の科学が完璧である事は全くなく、まだまだ仕組み理解されていなかったりする事や、5年10年後に全く別の解釈がされている事はたくさんあるはずです。

 

 

その代表格が人の体です。
「宇宙と同じくらい複雑!」と言われる体の科学は、実はわかっていない事や「諸説あり」みたいなお話がたくさんあります。

 

つまり、科学の進歩によって今までわからなかったことが解明されたり、全く別の説が認められたりすることも度々あるのです。

 

 

ここで重要になってくることが「間違いを認めて新たな知識や情報を取り入れる能力」です。

 

 

間違いを認める能力

新しいことを学んでいく過程で、必ず今まで行ってきたことや知識とは全く別のことを取り入れ実践していかなければならない過程が存在します。

 

そして、これがトレーナーの場合、今まで自信を持って推奨してきたやり方を、否定しなくてはならない状況になることも実際にあり得ます。

 

 

例えば、私が10年ほど前にお腹周りをスッキリさせたい女性のお客様に、サイドクランチ(お腹の横のトレーニング)をやらせていたことがありますが、これがウェストを細く見せる為にはあまり効果的ではないと言うボディービルダーの話を聞いて以来考えを改め、そのお客様に対してそのトレーニングを実施するのをやめた事があります。
 
実際にその時は不審がられましたが、そのお客様との関係は今でも続いています。

 

ここで重要な事は「素直に間違いを認める」ということです。

 

この間違いを認めることができるかどうかが、自分が成長できるかの1つのハードルなのです。

 

 

「俺が若かった頃は、、」
と言うようなことを仰るご年配の方をお見かけすることがありますが、人は成長意欲がなくなると、自分の中にある古い常識に囚われその時代に全くそぐわないことを平気で言うようになってしまうのです。

 

常識のパラダイムシフトが起きる過渡期で、新しい情報に乗り遅れると、常に時代の最後尾を歩むことになるのです。

 

 

知的謙遜

あの世界のGoogleの入社試験の適正を図るパラメーターにも使われている「知的謙遜」
 
知的謙遜とは「客観的にみて自分の能力を正しく判断する力」のことです。

 

この知的謙遜が高い人ほど「新しいものを取り入れて成長しようとする」と言われています。

 

つまり、成長意欲を確実に具現化する為に、必要な能力なのです。

 

 

これは決してトレーナー業に限った話ではないと思いますが、変化の激しい現代を生き抜く為には、なくてはならない能力なのだとつくづくと感じています。

 

歳を重ねても素敵に見える方は、この知的謙遜が高いのだなあ、と思います。

 

今日の一言
95%の人は「自分の事をよくわかっている」と思っているが、実際は10~15%しか自分の事をわかっていない、という研究データがあります。
つまり自分の事をよく知る為には「自分は客観的じゃないんだ」という事を強く認識することが非常に大切だよな、と思います。
自分を俯瞰できていると思い込んでいる痛い僕は、最近は1回時計を見る毎に頭の中で「自分は客観的じゃない」と唱える様にしています。

 

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