【米ゴールドジム経営破綻】どうなる日本の大手ジム!? #173

「アメリカのフィットネスジム最大手ゴールドジムが経営破綻」
新型コロナウィルスの影響で、危惧されていた事態とは言え、非常に "ショッキングなニュース" です。

 

ニュース記事によると

フィットネスジム「ゴールドジム」を運営する米GGIホールディングスは4日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し経営破綻した。営業は継続する意向だが、現状では新型コロナウイルスの感染拡大で閉鎖している店舗が多い状況だ。再建計画は8月1日までに提出する。
GGIは、自社保有で経営状態が悪化している30カ所を閉鎖する計画だという。世界で約700カ所あるジムの大半はフランチャイズが占める。同社は「ライセンス事業は影響を受けない」としている。

「今回の経営破綻は、日本の民事再生に当たるもので、再生を目的としたもので "廃業" ではない」との事です。

 

コロナの影響により、日本の企業も例外ではなく、閉鎖を余儀なくされた多くのフィットネスジムは苦境に立たされています。
緊急事態宣言が長引く中 "莫大の固定費" が掛かり続ける大手のジムは、果たしてどうなってしまうのでしょうか?

 

 

目次

大手ジムが超苦しい理由

大手ジムの経営が厳しい

とても皮肉な事に、娯楽施設であるパチンコ店が営業を続けているのと対照的に、健康増進、予防医療に必要不可欠なスポーツジムは、要請を受け閉鎖し続けています。

 

大手ジムが苦しい理由には
・元々の経営悪化
・巨額の固定費
・感染リスク問題
・会員の退会

などが考えられます。

 

元々の経営悪化

日本のフィットネス人口は、フィットネスブームもあり、2018年に長らく続いた3%台から4%台に上向いていました。
しかしそれは、24時間ジム、スタジオ特化型ジム、パーソナルジムの参入による影響が強く、総合型の大手のジムの会員は減少傾向にあります。
小回りの利く中小企業と比べると、大手のジムは流れの速いブームに乗れず、サービスやシステム、施設の老朽化などの影響も大きく受けている事が考えられます。

 

更には、大手のジムは "激しい価格競争" の末、会員が増えたところでも、実質の収益は減少している可能性もあります。
やっぱり、新しくて流行っていて、便利で、綺麗で安いところに人は集まりますよね。

 

巨額な固定費

恐らくこれが最も大きな問題です。
どの業態も同じだと思いますが、規模が大きければ大きいほど、固定費も大きくなります。
つまり、入ってくるお金が大きければ、出て行くお金も大きいという事です。

 

例えば、大手ジムの固定費

テナント代(1店舗で数百〜数千万円)
社員の給料(100人いれば数千万円、もっと増えれば数億円)
水光熱費(例えば、プールの水質維持の為に、機械を回し続けないといけない)
設備のリース代
保険料
その他返済金など

施設の数が増えれば増えるほど、毎月掛かる固定費は巨額になります。

 

一方で、ほとんどの収入源は "月会費" です。
つまり、1か月まるまる休館にすると、収入がゼロになる訳です。

 

新型コロナウィルスの影響で、早いところでは3月から休館をしていたり、会費の返金をしていたところが多いと思います。
「月商の3か月分の運転資金があれば優秀」と言われる企業経営ですが、早いところでは、その3か月目に突入する事になるのです。

 

元々利益率のかなり低いスポーツジム経営は、ある意味 "自転車操業" 的に回っているのです。

 

感染リスク問題

スポーツジムはシステム状、どんなに頑張っても "蜜" から完全に逃れる事は困難です。

 

所狭しと蜜に並ぶ、マシン器具や同じロッカーを多数の人が共有し、更には呼吸を荒げ汗をかきます。
スタジオプログラムに限っては、換気が良いとは言えない空間の中で数十人が息や声をあげて動き回るのです。

 

この様にスポーツジムは、ジムエリア、スタジオ、プール、ロッカールーム、お風呂、トイレなどどこをとっても、2m以上のソーシャルディスタンスを取ることは困難なのです。
これが国が "ウィルスの温床" として、懸念している理由なのだと思います。

 

会員の退会

既に多いところでは、50%の会員の方が退会している施設もあると聞きます。

 

スポーツジムの統計では、週2回以上通っている人は全体の約20%で、施設によってはその大多数は高齢者が占めます。
それ以外は週1回以下の利用か、そもそも入会したけど全然行かず、会費だけ払い続けている "幽霊会員" の様な会員も多く存在しています。

 

つまり、週2回以上通う比較的若い "コアなフィットネスファン" は、全体の10%以下の可能性が高いのです。
緊急事態宣言が開けたとしても、高齢者や元々の頻度の低い利用者の退会は増え、しばらくその回復は難しい事が予想されます。

 

詳しくはフィットネスのwithコロナ時代の記事でもお話したので、よろしければご参照ください。

 

日本の破綻ラッシュは?

経営破綻ラッシュ

ゴールドジムの経営破綻は、全米の30店舗の直営店に限った話で、世界700店舗のフランチャイズ店は影響を受けないとの事ですが、どこのフランチャイズ店も普通に追い込まれていると思います。
今回のゴールドジムの経営破綻は他人事ではなく、日本でもこれから "破産ラッシュ" が来ます。
緊急事態宣言の延長が "死刑宣告" となった企業も多く存在するはずです。

 

苦境に立たされているのは、フィットネス業界に限ったことではありませんが、これからを生き抜く為には、業態やサービスの変革が必須なのだと思います。
やはり大企業・中堅企業より中小企業、垂直統合型より水平分業型への時代の変化が加速するのかもしれません。

 

歴史あるゴールドジムが再生できる事を願っています。

 

今日の一言
新型コロナウィルスは、強制的に働き方だけでなく、生き方を考え直す機会を与えてくれている。自分はどうあるべきなのか?何ができるのか?
大企業のピンチを逆手に取れば、中小企業や個人には必ずチャンスがあるはずです。

ピンチはチャンス!

 

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