マイナースポーツの普及を阻む「スキル至上主義」の存在 #301

スポーツ財団の調査によると、スポーツジムなどに通う "フィットネス人口" は増加傾向にあるものの、日本の "スポーツ人口" は徐々に減少しています。

 

特に、人数が必要で手軽に行えない団体スポーツの減少傾向は強く、中でも子供の野球の競技人口は10年前の2/3まで減少しています。
#坊主の高校球児に憧れない子供たち
#保護者に負担をしいる謎の風習
#視聴率至上主義で消えた野球放送

 

この主因が「少子高齢化」にある事は間違いありません。
スポーツは10代の頃に触れた競技を続ける事はあっても、大人になってから新しいスポーツを始める人は決して多くはありません。
#ゴルフなど社交系スポーツは除く

 

また残念ながら、スポーツを続けていても「スキル至上主義」の圧力によって辞めてしまう人も少なくありません。

 

 

目次

「スキル至上主義」が普及を阻む

スキル至上主義とスポーツ

スキル至上主義とはスポーツスキルを高める事を重んじる思想です。
そして、これを他人に無理強いする事で、スキルの低い人達のモチベーションをとことん潰していきます
#悪魔

 

注意したい事は、スポーツには "チャンピオンスポーツ" と "レクリエーションスポーツ" という2つの捉え方があります。簡単に言うと「勝ちたい」か「楽しみたい」のどっちを優先的に考えているのかです。

 

例えば、マラソンで「順位やベストタイムを目標としている」のか「完走を目標としている」みたいな違いです。
実際に「楽しみたいのに、タイムをあげる事を強いられて嫌になって辞めた」みたいな、スキル至上主義の犠牲者も少なくありません。
#つらい

 

問題は、プロや余程の強いチームでなければチャンピオンスポーツとして取り組みたい人と、レクリエーションスポーツとして取り組みたい人が混在しているという事です。

 

そりゃスポーツなので上手いや速いに越した事がありませんが「レベルに合わせて楽しみたい人の存在」を無視しては、競技人口を減らす事に繋がり、結局スキル至上主義の人たちが「結果を出しても誰も注目してくれない」というブーメランを食らう事態に陥る可能性があるのです。

 

 

マイナースポーツの普及の為に

スポーツの普及の為に

どのマイナースポーツ団体も、普及の為に試行錯誤を重ねていると思いますが、どの様な取り組みが有効になるかを少し考えてみます。

 

もちろん「オリンピックの様な注目度の高い大会で優勝し、メディアに出て人気者になる!」みたいな方法が王道かもしれませんが、時間とお金も掛かるし、そもそもオリンピック競技じゃない!といったスポーツも少なくありません。

 

ここで、大事になってくる要素は

■ 選手が魅力的か
■ 観ていて楽しいか
■ 手軽に参加できるハードルが用意されているか

このあたりになると思います。

選手が魅力的か

その競技の選手の魅力が "観戦者の入口" になる事は少なくありません。

 

例えば、オリンピックのスケートボードで優勝した堀米選手の様に「あれ?スケートボードってチャラチャラしたイメージだったけど、こんな好青年が活躍しているの?」と思い、ハイライト動画を観た人も少なくないはずです。

 

やはり、物事の普及には "魅力溢れるイメージキャラクター" が有効であり、更にはユニフォームがお洒落だったり未経験者に、そのスポーツをプレーする自分をイメージさせた時に、魅力的な自分になっている事が重要です。

 

観ていて楽しいか

これは比較的、団体スポーツが有利です。
観戦者が楽しいと感じる為にはより目線を動かし、より心を動かす必要があります。

 

例えば、個人スポーツでも「団体戦」は一味違った盛り上がりを見せます。
柔道や体操の団体戦は、観戦者も手に汗を握る展開になる事も少なくありません。

 

近年、競泳ではISLという、様々な国籍の混じったチームが、得点を競い合う国際大会が盛り上がっています。
更には、どの競技も選手入場シーンで、格闘技を彷彿する様な "ライブエンターテイメント感" を取り入れる様になって来ています。

 

 

手軽に参加できるハードルが用意されているか

もうひとつは「参加しやすい環境づくり」です。

 

これは、既に多くのスポーツで導入しれている仕組みであると思います。

 

例えば、マラソンであれば、ハーフマラソンや10kmマラソンなどのカテゴリーを作る。
柔道であれば、大会意外にも昇段資格を受け、レベルにあったステップアップを図る事ができます。

 

この様な "小さなハードルを超え達成感" を味わう事で、そのスポーツの魅力にさらにハマり、より継続してそのスポーツにのめり込む様になる可能性が高まるはずです。

 

 

団体スポーツの時代は終わり?

団体スポーツ

やっぱり、スポーツを行う時に、大人数を集めるのは大きな手間がかかります
更には、少子高齢化が拍車を掛け、徐々に団体スポーツの競技人口は減少しています。

 

団体スポーツでもサッカーがフットサルになり、ラグビーが7人制ラグビーになり、より少人数でも楽しめる様な工夫が凝らされて来ています。

 

例えスポーツに苦手意識がある人も "レクリエーションスポーツ" として楽しむ事ができる環境があれば、レベルに限らずスポーツを楽しめるはずなのです。
スポーツ人口が少しでも増え、もっと楽しくアクティブな人が増えたら、予防医療にも大きくプラスになり健康的な世の中になるはずです。

 

 

今日の一言
一生懸命スポーツに取り組んでいると、ついつい他人にももっと「あーだこーだ」と言いたくなる気持ちはわかります。だけど相手が高みを目指す選手でもない限り、そこはグッ!とこらえて、仲良く楽しめる様に手を差し伸べられる様になったり素敵ですよね。

この記事が気に入ったら
フォローお願いします

最新情報をお届けします

Twitterも更新中!

おすすめの記事