“姿勢不良” は筋肉に過剰なストレスを与え、関節の機能不全を引き起こします。
中でも腰痛や膝痛を引き起こす、典型的な姿勢不良で “下四半機能不全症候群 (Under crossed syndrome)" と呼ばれるものがあります。
機能的な動作改善を行う為にも、この姿勢の改善が必須です。
目次
下四半機能不全症候群(Under crossed syndrome)とは?
下四半機能不全症候群とは簡単に言うと、“腰が過度に沿っている姿勢” です。少し難しく言うと ”腰椎前湾および骨盤前傾過多“ の姿勢です。
骨盤は元々 13°~ 14°前傾しているので、それ以上前傾している “反り腰” の状態です。
実は筋肉は “ちょうど良い長さ” があります。それ以上縮んでいる状態は、筋肉にストレスが掛かり筋肉は硬く (筋拘縮) なります。
また正常より伸びた状態の筋肉も、力発揮がしずらくなります。
(今回は詳しくお話ししませんが、筋肉の「長さ−張力関係」という理論があります。ちょうど良い長さの状態が最も筋出力が強く、短い状態では筋出力が下がるという理論です。)
下四半機能不全症候群では、骨盤が過度に前傾しているので、太ももの前面の筋肉 (大腿直筋や腸腰筋など) が縮んで硬くなります。
また、太ももの後ろの筋肉 (大殿筋やハムストリングス) は伸びて出力が弱くなります。
この姿勢不良が股関節の機能不全や身体の痛みを引き起こすのです。
膝関節前面痛と腰痛の原因
膝関節前面痛
大腿直筋と呼ばれる太ももの前の筋肉は、骨盤から膝関節をまたいでスネの上部 (脛骨粗面) に付着しています。
下四半機能不全症候群により大腿直筋が硬くなると、膝蓋骨と呼ばれる膝のお皿を圧迫する事で、膝の前面に痛みが生じる事があります。
これを ”膝関節前面痛“ と呼びます。
腰痛
下四半機能不全症候群により起こる大腿直筋の緊張 (筋拘縮) は、股関節の伸展可動域 (股関節を伸ばす可動域) が制限されます。
その結果、動作の中で腰が過度に反り腰痛が生じる事があります。
下四半機能不全症候群の改善方法
下四半機能不全症候群では
□ 大腿直筋
□ 腸腰筋
□ 脊柱起立筋
□ 内転筋群
□ 大腿筋膜張筋
が硬くなる (筋拘縮) 可能性が非常に高いです。
一方で
□ 大殿筋
□ 中殿筋
□ ハムストリングス
□ 腹横筋・内腹斜筋
の筋出力が弱まっている (機能不全) 可能性が高いです。
腰痛や膝痛の痛みを改善する為には、まず “筋拘縮を起こしている筋肉を緩める事“ が重要になります。そして機能不全を起こしている筋肉の出力を高め、姿勢不良を改善します。
まとめ
腰痛や膝痛や関節の機能不全を改善する為には、まず自分の姿勢を評価し、その改善を行う事が重要です。
全ての痛みや機能不全が、下四半機能不全症候群によるものではありませんが、この状態の方は姿勢改善をする事で、あらゆる問題を解決できるはずです。
【最近のつぶやき】
先日新たな試みとして、初めてセミナーを開催いたしました。参加者7名の少人数セミナーでしたが、難しい。スキーの団体レッスンや、トレーニング指導とはまた違いますね。
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