足裏のアーチがなくなる "扁平足" は姿勢や動作不良によって起こり、他の姿勢不良と同様に治すことが可能です。
足裏は "身体の土台" です。足裏のアライメントの乱れは、身体全体の歪みを引き起こします。
本来、衝撃を吸収する役割をする足裏のアーチ。このアーチがなくなることで、以下の傷害リスクが高まります。
□ 足底筋膜炎
□ シンスプリント
□ 膝痛
□ 腰痛
扁平足を伴う姿勢不良を "回内歪み症候群" と呼びます。足関節が内側に傾いている状態です。
これを放置して動き続けることで、上記の傷害の一因や、運動パフォーマンスの低下に繋がる可能性があります。
今回は『扁平足の原因になる "回内歪み症候群" とその改善方法』についてお話しします。
目次
回内歪み症候群とは?
足首の内くるぶしが落ちる動きを "回内" と呼びます。"回内歪み症候群" は足関節の回内による姿勢不良のことを呼びます。
この症状は以前の記事でご紹介した、骨盤の前傾過多を引き起こす "下四半機能不全症候群" と合併して起きている場合がほとんどです。
#36 腰痛と膝痛を姿勢から改善する “下四半機能不全症候群” の改善法
姿勢の特徴は
□「腰椎前弯と骨盤前傾過多」
この姿勢不良により、足底筋膜炎やシンスプリントなどの傷害を引き起こします。
また殿筋群や腹筋群の機能不全に繋がり、身体のパフォーマンス低下の原因になるのです。
扁平足を引き起こす原因
一部の筋肉が過剰に拘縮 (硬くなって縮んでいる状態) することにより、身体のアライメントの歪みや、それに伴う動作不全を引き起こします。
この足首が回内する仕組みを、馬の轡 (くつわ) に例えて説明してみます。
馬を操縦する時、轡 (くつわ) という道具を馬の顔にはめ込み、手綱に繋いで進む方向を指示します。
右に曲がる時は、右の手綱を引っ張り顔を右に向けます。
脛 (すね) やふくらはぎの筋肉も同様に、外側の筋肉が拘縮することで、つま先が外側に向き、それに伴って足関節の回内を引き起こします。
つまり下腿部 (膝下) の外側の筋肉が拘縮していることが考えられます。
具体的な筋肉名で言うと
□ 腓骨筋
□ ヒラメ筋
□ 腓腹筋
以前の記事の中(#44 お尻の働きが劇的にあがる "ショルダーパッキング" の重要性)でもお話ししましたが、筋肉には "長さ−張力関係" と言う法則があります。
簡単に説明すると『筋肉に丁度良い長さがあり、過剰に伸びていたり、縮んでいると筋出力が低下する』と言う法則です。
上記の筋肉の拘縮により、反対側に位置する内側の筋肉である
□ 前脛骨筋
□ 後脛骨筋
□ 長母趾屈筋
□ 長趾屈筋
これらの筋肉が過剰に伸び、筋出力の低下、すなわち機能不全を引き起こします。
扁平足を作る足関節の回内は "つま先を外の引っ張る筋肉が過活動" と、"内側に引っ張る筋肉の機能不全" が起きている可能性が考えられるのです。
扁平足の改善方法
次の3つのステップのアプローチで扁平足を改善していきます。
① 過活動の筋肉を緩める
② 機能不全の筋肉を鍛える
③ 大腿部のアライメントの修正
過活動の筋肉を緩める
最初に拘縮している可能性が高い
□ 腓骨筋
□ ヒラメ筋
□ 腓腹筋
をストレッチや筋膜リリースで緩めます。
また足底筋 (足の裏) を緩めることも有効です。
機能不全の筋肉を鍛える
次に機能不全を引き起こしている下記の筋肉を鍛えることが有効です。
□ 前脛骨筋
□ 後脛骨筋
□ 長母趾屈筋
□ 長趾屈筋
正しく足関節の屈曲動作を行う中でのトレーニングが有効です。
またゴムチューブを使ったRNTと言う、筋肉の神経筋反応を利用したトレーニングも有効です。
RNTについてはまた別の記事にしたいと思います。
①と②のトレーニングを紹介している動画あったので、参考にしてみてください。
大腿部のアライメントの修正
最初にお話しした様に、回内歪み症候群は "下四半機能不全症候群 " が合併して起きている可能性が非常に高いです。
足部の回内により、脛骨 (すね) が内側に倒れ、ニーイン・トゥーアウトを起こし、骨盤前傾過多を引き起こします。
下腿へのアプローチだけでは、完全にアライメントが良くなる可能性が低く、同時に股関節周辺の大腿部の筋肉へのアプローチが必要になるのです。
下四半機能不全症候群へのアプローチは以前の記事をご参照ください。
まとめ
扁平足は "回内歪み症候群" を引き起こし、傷害やパフォーマンスの低下を引き起こします。
主に下腿部の、つま先を外側に引っ張る腓骨筋などが拘縮する事により起こります。
改善のアプローチとして重要なポイントは
① 過活動の筋肉を緩める
② 機能不全の筋肉を鍛える
③ 大腿部のアライメントの修正
です。
ニーイン・トゥーアウトの改善法として、足関節と股関節へのアプローチが重要です。
どちらが主因かは人により異なりますが、土台である足関節からアプローチすることをお勧めします。
人間の運動動作は、静的姿勢の連続です。
動作の改善をする為に、今ある姿勢不良の改善にも注目してください。
まだ広告は貼れないみたいですが、その内導入されると思うので、IGTVer?として成功したい人は今のうちですね。