「ハムストリングス肉離れ」の2つの原因とリハビリ #86

陸上やサッカー、バスケットなど短距離ダッシュやジャンプするスポーツでよく "ハムストリングスの肉離れ" を起こす事があります。

ハムストリングスの肉離れは、クセになりやすく再発予防が必要不可欠です。

ハムストリングスの肉離れの原因は、他の部位にある事が多く、根本原因への対処が重要になります

今回は 『なぜハムストリングスの肉離れが起こるのか、また再発予防の為に何をすべきか』 を解説いたします。

目次

ハムストリングスの肉離れの原因

肉離れの原因

ハムストリングス肉離れは
『股関節の伸展可動域制限による殿筋群の機能不全』
が主な原因となっている可能性があります。

股関節の伸展可動域を制限する因子は以下の2つです。

◆ 大腿直筋が硬さ
◆ 腸腰筋の硬さ

ハムストリングスの肉離れは、地面を蹴る動作で "ハムストリングスに過剰な負担が掛かる事" で受傷する場合がほとんどです。

地面を蹴る動作では、股関節の伸展動作を行います。
その際に主に働く筋肉は、大殿筋・ハムストリングスです。

以前の記事↓でもお話ししましたが

股関節の伸展動作では、大殿筋・ハムストリングスが縮むと同時に、拮抗筋である大腿直筋・腸腰筋伸ばされます

しかし、これらの筋肉が固まってスムーズに伸展しない事で、大殿筋やハムストリングスの収縮にブレーキを掛けてしまいます

大腿直筋と腸腰筋
上図の様に大腿直筋や腸腰筋が硬くなる(拘縮)事で以下の様になります。

① 腸腰筋、大腿直筋の拘縮
② 骨盤の前傾過多
③ 大殿筋の機能不全

②の様に "骨盤の過度な前傾" により、大殿筋やハムストリングスは伸ばされます。

しかし、図の様に骨盤下部 (坐骨結節)に付着するハムストリングスはこの影響をあまり受けません
一方で、骨盤上部 (腸骨稜など)に付着する大殿筋はこの影響を受け伸長します。

以前の記事の中でもお話しした 『長さ-張力関係』 という法則により、大殿筋の筋出力は低下します

つまり、大殿筋の出力が弱まり、その分をハムストリングスが肩代わりする事で、過剰に負担がかかり損傷のリスクが上がるのです

肉離れの再発防止

肉離れ再発

再発予防をする為には、先ず大腿直筋ハムストリングスどちらに原因があるのかを判断する必要があります

これを判断する方法は "トーマステスト" が有効です。

こちらの記事をご参照ください。

原因がわかったら、ストレッチや筋膜リリースによって筋肉を緩めます。
そしてクックヒップリフトなどで、低下していた股関節の伸展可動域を回復させます。

また大腿直筋と腸腰筋のどちらにも異常がない場合は、大殿筋の発火(力が入るタイミング)が遅い可能性が高い為、殿筋群の強化や発火を速めるトレーニングを行う必要があります。

まとめ

ハムストリングスの肉離れを起こす主な原因は

◆ 大腿直筋が硬さ
◆ 腸腰筋の硬さ

です。

先ず "トーマステスト" を行なってどちらかに問題があるかを見極めてください。

そして原因となる筋肉へのアプローチと可動域の定着を行い、徐々に殿筋群の働きを高めていく事で、動作の中でのハムストリングスへの負担を軽減させる事が可能です

肉離れを再発させない様に、是非取り組んで見てください。

今日のツイート

最近オードリーのオールナイトニッポンを聴きながらトレーニングを行っているのですが、面白くて独りでニヤついてしまいます。側から見たら完全にヤバいやつです。ハマり過ぎて若林さんの本も購入してしまいました。やはり上に行く人は思考が面白い。

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