「太ももの外側が張る」
この様な症状がある時、太ももの外側を伸ばすストレッチをした事がありませんか?
太ももの外側には "腸脛靭帯" と呼ばれる組織があります。
腸脛靭帯は、以前の記事「腸脛靭帯とは?実は靭帯組織ではなく筋膜 」でもお話した事がありますが "靭帯組織ではなく筋膜組織" です。
四つん這いの赤ん坊には腸脛靭帯は存在せず、二足歩行を始めた頃から、左右の不安定なブレに耐える為に、筋膜が硬くなり腸脛靭帯と呼ばれる組織が作られます。
#0歳児に腸脛靭帯はないのはビックリちょんまげ
太ももの外側に張りを感じると「ストレッチをしましょう!」と指導される事があるかもしれません。
しかし、この方法は全く問題の解決に繋がらないどころか、危険すらあるのです。デインジャラス!
目次
腸脛靭帯のストレッチは危険?
実は、この様な腸脛靭帯を直接伸ばす様なストレッチは、危険なので控えましょう。
少しだけ腸脛靭帯の構造と役割について、専門的な話をします。
#難しい人は読み飛ばしてください
腸脛靭帯は筋膜が硬くなって作られ、主な成分は "コラーゲン" です。これは、靭帯や軟骨と同じ組織構造です。
主な役割は、二足歩行が始まった時に作られる様に「股関節や膝関節のブレに対する安定性を保つ事」です。
この様な構造や役割から、腸脛靭帯は伸び縮みしにくい組織である事が明らかです。
実際に3%ほどは伸びるが、5%以上伸びると切れると言われています。
#実際に切れるまでストレッチはできないと思うけど
一部の研究では、同じ構造である股関節の靭帯と比較して、12倍も伸びにくいとも報告されています。
この様に、腸脛靭帯は伸び縮みしにくい組織である為、ストレッチをする意味がないどことか、伸ばす事で危険性すら考えられます。
では腸脛靭帯のある太ももの外側に張りを感じた時に、どのな対処をすべきなのでしょうか?
太ももの外側の張りの改善
太ももの外側の張りは "ニーイン・トゥーアウト" と呼ばれる動作の問題によって、引き起こされる事があります。
特に、膝が内側に入る動作や内旋型O脚の人に起こりやすい症状です。
#日本人の8割はO脚
#O脚ですね~というと大体当てはまる
これが悪化すると "腸脛靭帯炎" と呼ばれる、外膝にある脂肪体が炎症を起こす事があります。
#意外と知られてない脂肪体の存在が痛みの原因
腸脛靭帯の緊張を緩める為には、そこに付着している "大殿筋" や "大腿筋膜張筋" を緩める必要があります。
腸脛靭帯に繋がるこの2つの筋肉が緊張すると、腸脛靭帯も同時に緊張します。
つまり「腸脛靭帯を緩める為には、大殿筋と大腿筋膜張筋のストレッチやリリースが有効」です。
根本的な解決にはニーイン・トゥーアウトなどの動作不良を改善する必要があるので、以前の記事「太腿の外側が痛い3つの原因と改善方法」を参考にトレーニングしてみてください。
ある程度データが溜まったらレポートしたいと思います。