よく『お尻を使え!』と言うけれど、この "ショルダーパッキング" を上手く使えない人は、残念ながらいくら頑張っても、お尻が使える様にはなりません。
お尻(大殿筋)が重要な理由は、身体の単体の筋肉の中で最も大きな筋肉であるからです。
ショルダーパッキングとは、"肩甲胸郭関節" という関節の安定性を保つ姿勢の事を指します。
この "肩甲胸郭関節" は "第2のコア" と呼ばれる程 (僕が勝手に呼んでいます) 重要な関節です。
このショルダーパッキングをうまく使う事ができれば、殿筋群の動員 (使える割合) 増え、それに伴い股関節の可動性の向上が可能です。
今回はこの『ショルダーパッキングの重要性』についてお話しします。
目次
ショルダーパッキングとは?
以前の記事でもお話しているので、簡単に説明します。
もし "ショルダーパッキング" を聞いた事がない方は、こちらの記事も読んでみてください。
#19 肩を痛めない為の重要な要素 ~ショルダーパッキングとは?~
□ ショルダーパッキング
『肩甲骨の適切なポジションを維持する姿勢』
具体的には、"肩甲胸郭関節の安定性" です。
言葉で説明すると、
肩甲骨の下制 (下げる) & わずかに内旋 (内に寄せる) させるポジションです。
この肩甲骨のポジションは、実はコア (腰椎骨盤帯) を安定させるくらい重要な身体の機能です。
"第2のコア" とも呼んでも過言ではありません。
なぜショルダーパッキングが、こんなにも重要なのでしょうか?
ショルダーパッキングとお尻
そもそも
"Joint by joint theory" (#4 パフォーマンス向上の為に絶対に必要な基礎知識 ~Joint by joint theory~ 参照) で肩甲胸郭関節は "スタビリティ関節" に当たります。
Joint by joint theoryをしっかりと理解されてる人は、これだけで今回の話は全て理解できたと思います。
ショルダーパッキングが適切にできると、胸郭 (肋骨の塊) が上がり胸椎の伸展位を保つ事ができます 。簡単に言うと胸を張った姿勢です。
背骨と骨盤は繋がっているので、これに伴って骨盤が適度に前傾します。
骨盤は、30°~40°が適切なポジションとされ、この角度の時が、最もコアの安定性を保つかとができます。
殿筋群は骨盤の上方に付着しているので、骨盤を前傾させる事で、テンションを掛けることができます。
これに伴い殿筋群の働きを強める事が可能に成るのです。
殿筋群の働きが強くなる理由には、筋肉の "長さ‐張力関係" という理論が関係しています。
筋肉の "長さ−張力関係"
骨盤の前傾により、お尻の働きが強くなる理由を説明するには、筋肉の "長さ-張力関係" という理論が必要です。
この理論を簡単に説明すると、
『筋肉には、"丁度良い長さ" があり、その長さが、短くても、長くても、自分が出せる筋出力は低下する。』
という理論です。
例えば、誰でも1度は腕立て伏せをした事があると思います。
腕立て伏せでは、基本的に負荷(自分の体重)は変わりません。しかし、地面から押す直後はきついのに、少し身体が持ち上がると途端にスッと上まで楽にあがる様に感じませんか?
腕立て伏せでは、主に大胸筋を使っていますが、下からの上げ始めでは筋肉が伸びています。
中盤から筋肉がある程度縮んでくると、筋肉の出力が増し、楽に上げる事ができるのです。
つまりショルダーパッキングに話を戻すと、
ショルダーパッキングを行い、骨盤前傾により殿筋群の長さが適度に伸ばされる事で、本来あるべき筋肉の長さになり、筋出力を高める事が可能になるのです。
まとめ
ショルダーパッキングにより "第2のコア" である肩甲胸郭関節を安定させることにより、骨盤の適切な前傾が保たれ、殿筋群の筋出力が向上されます。
また、これに伴うコア(腰椎骨盤帯)の安定により、股関節周辺の筋肉の緊張を緩める事が期待でき、股関節の可動性の向上も期待できます。
ショルダーパッキングを適切に行う為には、"胸椎の伸展可動域" や "僧帽筋下部の筋力" などが必要になってきます。
特にスポーツ動作で上体の前傾を取る場面(アスレティックポジションなど)で、ショルダーパッキングができているかどうかで、身体のパフォーマンス能力に大きく関わってくると思います。
【今日のつぶやき】
"顔本" "顔本" って言われたので、何の本かと思いましたが、冷静に考えたらFacebookの事でした…。
拡散力の低下してしまったFacebookは、ビジネスツールとしてもはやオワコン?もちろん有料広告か、バズってシェアされるという手段はありますが。