サッカーW杯ロシア大会が開幕して10日ほど経ちましたが、ちょうど夜から深夜にかけて中継されているので、僕もつい寝ることを忘れ見入ってしまいます。
ここまでの日本の成績は、1勝1分。下馬評とは裏腹の好成績にメディアも大盛り上がりです。南アフリカ大会以来8年ぶりの決勝トーナメント進出を掛けて、次戦ポーランド戦に挑みます。
サッカーの試合を観ていて度々思うことがあるのですが、技術的な上手さとは全く別に "何となく感じる予感が的中すること" ってありますよね?
例えば
『(試合が始まる前の表情などをみて) 今日は勝てそうな感じがする』
『フリーキックが入りそうな気がする』
『PKを止めそうな気がする』
『点を取られそうな雰囲気がある』
みたいな感じで、根拠はないけれど実際に予感が的中することがあります。
サッカーに限りませんが、他のスポーツや日常生活の中でも、こんな風に予感が的中することがあると思います。
あの 『何となくそんな気がする雰囲気』 はいったい何処から感じるのでしょうか?
今回は 『サッカーW杯を観て思う "何となく感じる予感が的中する理由" 』 と "ブラジル大会の裏話" についてお話ししたいと思います。
目次
雰囲気を作る要素 "メンタル"
僕自身の話で恐縮ですが、先日こんなことがありました。
職場の事務所で、後輩といつもの様に挨拶程度の話を交わしました。
しかし僕の "異変" に気付いた後輩が 『今日どうしたんですか?表情が暗いです』 と僕に問い掛けて来ました。
僕は全くいつも通りにしていたつもりだったので 『ん、全然普通だけど?超元気』 と答えてしまいましたが、後から考えてみたら後輩に会う数分前まで少し "重たい" ことを頭の中で考えていました。
即決即答派の僕は普段ほとんど思い悩むことがないので、いつもと違う "雰囲気" に異変を感じたのだと思います。
この様なことは、よくある当たり前のことかもしれませんが、この時僕は 『 "思考" は知らぬ間に言動、雰囲気となって現れる。そして隠すことができない。』 と言うことを実感しました。
"メンタル" は必ず何らかの形で表に現れるのです。メンタリストのDaiGoのパフォーマンスもコレを究極に応用したやつですよね。
人をある程度見かけや話すことで判断できたり、嘘がバレやすいのも、同様な理由だと思います。
もちろんこれは "マイナスの面" だけでなく"プラスの面" でも同じこと言えます。
サッカーを観ていて 『何となくそんな気がする雰囲気』 を感じるのも選手自身のメンタルやチーム全体のメンタルが、プラスやマイナスの雰囲気、言動として伝わってくるからなのだと思います。
フィジカルとメンタル~ブラジル大会の裏話~
今回のW杯の日本は、南アフリカ大会の時と同様に、大会前の期待度が低かったのに対して結果が出ているギャップで世間は大盛り上がりです。
一方で、過去一とチーム言われたブラジル大会では、期待度が高かったことによる落差で日本中が消沈していました。
今回の2戦目セネガル戦は、入場する選手たちの表情からも、仕上がりの良さから来るであろう "自信に満ち溢れた雰囲気" を感じました。
一方でブラジル大会では1戦目に負けたこともあってチーム全体に "できない雰囲気" が漂っていた気がします。
実は、ブラジル大会の日本代表にはこんな "噂話" があります。
『ピークを合わせる為のコンディショニング調整に失敗した』
4年に1度の大舞台。その日その舞台にコンディションのピークを合わせるということは、簡単なことではありません。
失敗するパターンは、怪我をして思う様に練習を積めなかったり、長いシーズンの疲労を取り除くことができなかったりと様々です。
しかし、プロである限り "その日" にコンディショニングを合わせる必要があります。
近年の考え方で、ピークを合わせる為に "テーパリング法" と呼ばれる練習量を減らしていく方法が取られます。
しかし、当時のイタリア人チームトレーナーが無知だったのか、計画に問題があったのか『チーム全体に疲労が残った状態で大会期間を迎えてしまった』と言う噂が流れました。実際にメディアにもこの話が出ました。
"フィジカルはメンタルに繋がります"
身体のコンディショニングが良いほど自信が湧いてきます。そして、その自信が集中力や高いパフォーマンスに繋がります。
一方で、身体のコンディショニングが悪いほど自信が持てず不安や緊張に繋がり、パフォーマンスを下げる要因に繋がります。
実力差が拮抗している世界のトップレベルで勝つ為には、この "ピークを合わせられるかどうかが勝敗を左右する" と言っても、過言ではないのです。
"スーパースター" のメンタル
サッカーの場合はチームスポーツなので、チーム全体の士気が高まっている状態でないと、なかなか高いパフォーマンスを発揮することは困難です。
しかし、スーパースターのメンタルはそんなことに左右されません。
今回の大会でもそのスターっぷりを遺憾なく発揮しているのが、ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウド選手。
初戦のスペイン戦では、彼が本物のスーパースターであることを証明していました。
後半終了間際に2-3とリードされているシーンで、チームに "勝てない雰囲気" が漂って来ました。
しかし、スーパースターは違います。
値千金のフリーキックを決め、引き分けに振り戻しました。
LIVEで観戦していましたが、さすがにこのシーンには驚嘆しました。ゴラッソ‼︎
スーパースターには溢れ出る "何かやってくれそうなオーラ" があり "できない雰囲気" をも、正に一蹴してしまう能力を持っているのです。
日本の本田選手にもある意味同じ様なスター性を感じます。
まとめ
あの 『何となくそんな気がする雰囲気』 はメンタルが体現化された物を、目で見て感じ取っているのかもしれません。
メンタルはある程度トレーニングをすることでコントロールすることは可能ですが、"フィジカルの良し悪し" はメンタルに直結しやすく、とても重要な要素です。
4年に1回の大舞台で結果を出すことは容易ではないと思いますが、今回の日本チームは雰囲気も良く安定したメンタルが伝わってくるので、次戦ポーランド戦にも期待したいと思います。
【今日のつぶやき】
今日は心理学者アルフレッド・アドラーの言葉を紹介します。
『人生は連続する刹那であり、過去も未来も存在しない』(アドラー)
例えば、自分が舞台に立っているとして、会場全体の蛍光灯がついていれば、客席全体が見渡せると思います。しかし、舞台上の自分を強烈なスポットライトで照らすと、最前列さえ見ることが困難になります。
同様に、人生全体にぼんやりとした光を当てると、過去や未来が見える様な気がしてしまいます。しかし "今" に強烈なスポットライトを当てると過去も未来も見えなくなるのです。
この言葉は今でも強烈に心に響き、僕の活力の源になっています。