誤解されない様に最初に明言しておきますが、僕はスポーツパフォーマンス向上の為に高重量トレーニングを行う事は "大大大賛成" です。
むしろ "やらない" なんて以ての外、特にBIG3は積極的に取り組む事を推奨しています。
がしかーし!
ただ闇雲に行う事は非常に危険で、パフォーマンス向上どころかパフォーマンス低下にも繋がるリスクを秘めている事も事実です。
この議論は以前から耳にタコができるほど何度も繰り返していますが、
『ん、ウェイトトレーニング?必要ないっしょ〜(鼻ほじほじ)。』
みたいな声を聞く度にトレーナー魂に火が点き、手が勝手にキーボードを叩き始めてしまうのです。
とは言え、いつも同じ目線からでは面白くないので、今回は少し否定的な目線から『スポーツの為に高重量トレーニングをする事による "デメリット"』について考えてみます。
目次
高重量トレーニングの最大のデメリット
早速、今回の記事のクライマックスです。
高重量トレーニングの最大のデメリット、それは
『高強度の状態下では自分の潜在意識にある動作で運動を行なってしまう事』
極端に言うと、闇雲に高重量トレーニングを行なっても "そのトレーニングの中で重いものを持ち上げられる事" 以外の何も得ることができません。
スポーツの練習で基本練習からみっちり行う様に、トレーニングでも基本が重要なのです。
スポーツを行なっている人はこんな経験があると思います。
『 "ある運動要素" を練習では意識できていたのに、いざ本番では全く意識できずに終わってしまった…』
ありますよね?
試合や大会本番は全力で挑む場合がほとんどだと思うので、もちろん運動的には高強度です。
そして相手との駆け引きや緊張感もあるので、精神的にも余裕がなくなります。
その中で "ある運動要素" を意識し体現する事は非常に難しいのです。
例えば "膝が内側に入ってしまう" とか "腰が過剰に反ってしまう" などの癖を治したい場合、高重量トレーニングの中だけで修正をする事は不可能なのです。
物理的に追い込まれる事で自分の得意な運動パターン(自分の癖)が必ず露呈するからです。
ただ闇雲に行う高重量トレーニングは、自分の癖をより身体に刷り込み、確固たるものにします。
高強度でもより良く動作する為には段階を踏んでトレーニングを行なっていく必要があるのです。
その他のデメリット
その他にもデメリットをあげてみると
◆ 怪我に繋がるリスクがある
◆ 体力の消耗が激しい
◆ 手軽に行えない
などが考えられます。
怪我に繋がるリスクがある
高重量トレーニングで腰や肩を痛めるなど怪我をする人は実際にいます。
高負荷は一歩間違えれば大きな怪我に繋がります。
体力の消耗が激しい
高重量トレーニングは体力の消耗が激しく、長時間行うことは困難です。
また同日に競技練習を行う場合、競技練習前に行うことは可能な限り避けた方が良いと思います。
手軽に行えない
家にホームジムがある余程のトレーニング好きでない限り、高重量トレーニングはジムに行かないと行う事はできません。
まず習慣的にジムに通う事に "壁" を感じる人もいると思います。
アスリートでも意外とトレーニングの必要性をしっかりと理解し実行している人は少ない様に感じます。
"デメリット" の打開策
今回は "否定的な目線" という設定なので、デメリットだけ吐き捨てて閉めようかと思いましたが、打開策に触れずにはいられなかったので過去記事をご紹介しながら簡単に説明します。
詳しく理解したい人は読み進めてみてください。
まずこの様な "デメリット信者" はまずトレーニングの必要性をしっかり理解するところからスタートです。
#23 トレーニングで “ポテンシャル” を伸ばす ~練習だけする事でぶつかる限界~
そして自分の身体に生じている問題を洗い出します。
細かい関節の機能関しては "Joint by Joint theory" の理解が必要なので、この記事を読んでみてください。
#4 パフォーマンス向上の為に絶対に必要な基礎知識 ~Joint by joint theory~
良し悪しの度合いは人それぞれですが、大体の人はここで "動作改善" を行う必要があります。
この動作改善を行う事で "怪我をしにくく効率良い力発揮" が可能な動作を身につけます。
動作改善のゴールは
『スポーツ競技の中で無意識に機能的な動作をできる様にする事』
です。
特に無意識にというところが "ミソ" です。
潜在意識については以前も簡単に触れたことがあります。
#24 顕在意識を潜在化する!身体作りのスタートで必要なこと
つまり無意識でより良い動作ができる様に高重量トレーニングが必要になるのです。
高重量トレーニングはウェイトリフティングなどを除いた、大抵のスポーツ競技より "瞬間的な強度" は高くなります。
その中でより良い動作を行う事ができる様になれば、それより強度の低いスポーツ動作の中で "無意識に" 同じ要素の動作ができる様になるのです。
スキー競技を例に、以前にもう少し踏み込んだ記事を書いたことがあるので、是非参考にしてみてください。
#25 スキー技術向上の為に高重量スクワットが “悪” とされる事の真偽について考えてみる
まとめ
高重量トレーニングは取り組み方によっては "身体の癖に拍車を掛け、怪我を助長するリスク" を秘めています。
しかし正しく理解し取り組む事で、必ずスポーツパフォーマンス向上の為にプラスに働きます。
まだまだ正しく理解し取り組めているアスリートが少ない今、相手と差をつけるチャンスです。
人が取り組んでいない事を試してみる価値はあると思います。
是非 "高重量トレーニング" を含めた身体作りに取り組んでいただければと思います。
【今日のつぶやき】
先月頃からセブンイレブンで販売している100%ジュース "パイナップル味" が超絶美味しくて最近のおすすめです。
猛暑の中セブンの前で腰に手を当ててグビッと飲むのが最近の僕のスタンダードです。容量がしれっと50ml減って450mlになりましたが十分過ぎる満足感です。