『見せる筋肉』と『使える筋肉』の違い 〜スポーツに筋肥大は必要か?〜 #81

筋力トレー二ングで、筋肉をつけている人を見て 『見せ筋!』 『使えない筋肉!』と、揶揄する様な言葉を耳にする事があります。

 

同じ筋肉であるはずなのに『使える筋肉』と『使えない筋肉』と呼ばれる差は何なのでしょうか?

 

この答えは、身体について勉強している人にとっては愚問かもしれませんが "世の中にはびこるこの言葉" について考えてみたいと思います。

 

 

目次

『見せる筋肉』と『使える筋肉』の違い

『見せる筋肉』と『使える筋肉』の違い

結論から言うと『使える筋肉』と『使えない筋肉』の2つに、違いはありません
あえて言うなれば、 うまく『使えているか』『使えていないか』の違いはあると思います

 

これは僕の経験則ですが『使えない筋肉!』と言う様な考えを持つ人に限って、今まで筋肥大をさせた経験がない人がほとんどです。

 

筋肥大と言うのは『筋肉量の向上』を行う事です。
もし、筋肉量が「身体のパフォーマンスを評価するパラメーターのひとつ」だとすると、筋肥大は間違いなく "ポテシャル" をあげる為の要素になります
しかし、筋肉量は「可動性・安定性・持久力・敏捷性」など複数あるパラメーターのひとつに過ぎないので、筋肥大だけでスポーツ動作が劇的に良くなる訳ではありません。

 

とは言え、複数のパラメーターが絡み合って「動ける身体」は作られているので、筋肉量は大切な要素には違いないのです。

 

青木
ウェイトトレーニングで筋肉量を増やす事は、柔軟性の向上や骨の強化にも繋がる。
動きが硬くなるなんて事は考えられない。だとしたらボディビルダーは既にロボットみたいな歩き方になってるはず。

 

 

プラスになる筋肥大の方法

上記の様に、筋肥大させる事は、決してマイナスになるなんて事はなく、十分ポテンシャルの向上には繋がります。しかし、それを活かせるか否かは、全く別のお話です。
 
筋肉を肥大させる為には、いくつかの方法があります。
実は、この肥大させる方法次第では、身体のポテンシャルの差が出る可能性があるのです

 

まず前提条件として、筋肉を肥大させる為には "トレーニング強度の増大" が必要です。
いくつか例を挙げてみると

 

■ 扱う総重量をあげる
■ トレーニングの量を増やす
■ トレーニングの質を上げる

などの要素が考えられます。

 

これらの方法で、筋肥大をさせる事は可能ですが "動きの質を向上させる" と言う要素を考えた時に、③のトレーニングの質を上げる事が重要である事は明白です。

 

 

ここでパフォーマンスを向上させる上で "重要なポイント" を確認します。

 

それは
『怪我をしない身体作り』=『パフォーマンスの向上』
と言う事です。

 

 

先の①と②の要素は動きの質が伴わないと、トレーニングをする上での "怪我のリスク" が増大する可能性があります。
一方で③の要素は、怪我のリスクは上がらず、かえって "怪我のリスク" が減ります。

 

 

もう少し詳しくお話しすると、③の要素の場合は、今まで扱っていた重量を変えずに、質を向上させる事によって、ターゲットとしている筋肉(主導筋)への負荷を増やします
つまり「補助的な筋肉の働きを極力抑え、主導筋の働きを増やす方法」です。

 

この様に主導筋をより精密にコントロールする為には、身体のあらゆる関節の "可動性" や "安定性" をコントロールする能力が必要になります。

 

『いやいや、スポーツ動作の中で単一の筋肉だけ動かすシーンはないでしょ』
と思うかもしれません。
もちろん筋肥大をさせただけでスポーツに直結する程、身体作りは単純ではありません。
そこから更に、動作の連動を鍛えていく必要があります。

 

③の様に動きの質をあげ、筋肥大させる事ができれば『筋肉量の向上だけではなく、各関節機能の向上を図る事』にも繋がるのです。

 

青木
「ボディメイク」や「ダイエット」を目的としウェイトトレーニングを行う人と、自分を区別してトレーニングを考えている人がいるが、やっている事は全く同じ。
むしろよっぽどボディメイクなどを目的にしている人の方が、身体の動きを真剣に考えてトレーニングに取り組んでいる気がする。

 

 

筋肥大のデメリット

一方で筋肥大する事による "デメリット" があるのかを考えてみます。
一般的に言われている事をいくつか挙げてみます。

 

1関節可動域に制限が掛かる

狭い可動域でのトレーニングや元々の関節の可動性が低い場合はこのリスクが考えられます。
筋肉量の増加による可動域制限は、ボディビルダーの様に肥大させない限りは懸念する必要はありません。

 

 

2関節や靭帯に過剰な負担が掛かる

筋肥大によりパワーの向上が起こる事により "関節や靭帯に過剰な負担" が掛かる可能性はあります。
この様な傷害を起こさない為にも、筋肥大だけではなく、動作の質の向上が重要になるのです。

 

自らの高い筋出力に、動きの質が伴っていなかったら関節や靭帯への負担が増大するのは当然です。
元々足が速い選手が、靭帯断裂などの重傷を負ったりするのは、この様な状態です。

 

 

3身体のバランスが崩れる

もちろん足りない筋肉を補い、バランスを考えて筋量を向上させる事が非常に重要です。

 

 

4体重が増える

体重制限のある競技を行なっている人は、体重が増える事に関して懸念されると思います。

 

しかし、毎日トレーニングを行うボディビルダーでさえ「1年間に増やせる筋肉量は1kg程」と言われています(水分量を含めればもう少し重い)。
筋肥大させようと年間に数kgもの増量が起こる事は、筋量や水分量だけではなく "脂肪量の増加" が考えられます。

 

つまり、ある程度体重の増加の可能性があっても、数kg単位の大きな変動は起こらないのです。

 

 

まとめ

そもそも筋肉に『使える筋肉』も『使えない筋肉』といった概念はありません
まして、筋肥大をさせる事は「体のポテンシャルを伸ばす大切なひとつの要素」で、競技者としてそれを伸ばさないなんて事は自ら可能性を狭めている様なものです

 

もちろん、ただ闇雲に筋肥大させるだけでは不十分で「しっかりとその効果を理解した上で適切に行なっていく事」が重要です。

 

また考えられる筋肥大によるデメリットは、そんなに大きな問題にはならず、むしろプラスになる可能性の方が高いのです。

 

 

是非、正しい認識を持ち、トレーニングに取り組んでいただければと思います。

 

今日のツイート

昨日はインソールを作りに、姫路までぶらり列車旅。
品川駅→姫路駅→ショップ→姫路駅→品川駅
初姫路は上陸のみ。
そして、たこ焼きを1口で食べたらやけど。
こちらのたこ焼きが中トロトロは聞いていないです汗

 

 

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