▷ パーソナルトレーナーの資格を持っている方
▷「資格の裏側」について知りたい方
日本で「パーソナルトレーナーを目指す!」と志した時に、まず最初に名前が上がる三大資格がNSCA・NESTA・JATIといった資格だと思います。
何かを始める時に「まず資格を取ろう!」と考えるのは、日本人の国民性なのかもしれません。
実は、これらの資格を維持する為には多くの時間と費用が必要になります。
しかし、それらの時間と費用に対する効果は、現代では限りなく下がっているのではないでしょうか?
目次
なぜ資格を取るのか?
まず資格には大きく分けて2種類あります。
それは国家資格と民間資格です。
トレーナーの資格では
理学療法士
鍼灸師
あん摩マッサージ指圧師
NESTA
JATI
などがあります。
民間資格では日本では上記の3つの資格がメジャーな資格になっています。
またトレーナーがこれらの資格を取る理由には
① 対お客様への優位性
② 対同業者への優位性
の2つがあると思います。
しかし、これらの優位性は本当に効果があるのでしょうか?
NSCA・NESTA・JATIを取らない方が良い理由
これらの資格を取らない方が良い理由には「優位性の減退」「高額な維持費」「情報の民営化」の3つが挙げられます。
優位性の衰退
先に挙げた資格を取る理由を議論してみます。
1つ目は「対お客様への優位性」です。
これに関しては、よく「資格を持っていた方がお客様から信頼を得て、結果的にお客様が付きやすい」と言われたりします。
しかし、僕の実務経験ではほぼゼロと言って良いほど、現場では「資格を持っているか否か」を聞かれたことはありません。
こちらから提示することもありません。
それ以上に現場で必要になる能力はコミュニケーション能力や見た目の清潔感の方がよほど大切で、専門知識を必要とする指導力は必要順位的には3番手あたりだと思います。
2つ目は「対同業者への優位性」です。
これは個人でジムを行う分には必要ありませんが、企業にトレーナーとして雇ってもらう場合には、必要あるかもしれません。
その理由は、企業側が「その人の知識量の確認を省く為」と言っても過言ではありません。
正直これらの資格は、少し勉強をすれば誰でも受かるとても簡単な資格です。
皆様が携わる分野の資格を思い浮かべていただければわかると思いますが、どの分野でも「資格を持っている事」と「その人の能力」は全くの別物であると思います。
僕自身NSCAの資格を取得した経験がありますが、正直受験の際に勉強した内容は現場では全くと言って良いほど使う事はありません。
そもそもまず企業側が上記資格の有無に関わらず、トレーナーを判断する能力を持つ事と、上記の資格団体への癒着をなくす必要性があります。
これらには、上記の資格と癒着しているトレーナー育成の専門学校にも問題があるかと思います。
高額な維持費
なぜ企業や専門学校と癒着が起きている事に問題があるのか、それはこれらの民間資格を維持するのは高額の費用が必要になるからです。
例えばNSCAでは受験期から考えると
教材料 約2〜3万円
年会費 約1万3000円
更新単位取得費用(3年毎) 約2〜5万円
資格更新費(3年毎) 約7000円
などが最低でも掛かってきます。
もちろん、1〜2か月毎に送られてくるフィットネス雑誌で最新の研究論文に触れられたり、NSCA主催のセミナーに参加できたり、とメリットもあります。
しかし、情報の民営化が促進し、組織の権力が崩壊しつつある現代では、その価値も大幅に下がってきているのではないでしょうか?
情報の民営化
近年では、スマホの普及や通信環境の整備が進み情報化社会が加速しことによって、誰でもどこでも最新の情報に素早くアクセスすることが可能になりました。
いわゆる情報が民営化されました。
一昔前までは、一部の権力ある人や組織が、これらの情報を握り、お金を落とした物だけにその情報を公開していました。
NSCAなどの組織が合格者を会員に登録させ、取り囲んでいる状態が正しくこれに該当すると思います。
資格を取得する理由として「自分自身の勉強の為」と考える人も多いと思います。
しかし、受験の教材を見てもわかる様に、古い情報も多く、勉強をしていて誰しもがその内容に疑問を感じると思います。
そもそも、身体科学はまだまだ研究途上であり、数か月・数年単位でどんどんと情報が塗り替えられていきます。
現代ではYouTubeやブログなどで個人ベースで、いくらでも質の高い最新の情報に無料で触れる事が可能になりました。
必要があれば、個人的にR-bodyなどが開催するセミナーや勉強会に参加する事も可能です。
つまり、個人の知識レベルを向上させていく為に、これらの資格受験は必要ないどころか古い情報ばかりをインプットすると言う本末転倒にすらなり得るのです。
おすすめの資格
上記の様な理由で、NSCA・NESTA・JATIといった民間のパーソナルトレーナーの資格を取得する事はお勧めしません。
しかし、もしパーソナルトレーナーの資格を取得するとしたらNASMの資格をおすすめします。
この資格はNSCAなどと同様にアメリカ発の資格ですが、数年前に日本語ベースでも取得可能になりました。
NASMのPESと言う資格は「動作改善やパフォーマンス向上に特化した資格」なので、NSCAやNESTAなどと資格的なジャンルは若干異なりますが内容はかなり最近の科学に基づいたものとなっています。
そして、最大の特徴はオンラインで受講・受験が可能である事と、受験料以外の料金が全く必要ない永久資格である事です。
実は現在アメリカでは、NSCAやNESTAの資格よりNASMの資格を所有するパーソナルトレーナーの方が、雇用される際に高い給料を与えられるそうです。
内容も非常に面白い資格なので興味のある方は、是非調べて見てください!
今日の一言
実は個人での活動が主流になりつつある現在では、法律で縛られた国家資格以外の資格の重要性は低く、それらの価値はどんどん下がっていると思う。
これからの時代、他人や社会につけられた価値ではなく、自分自身で「その物事にどれくら価値があるのか」を判断できる能力が必要になってきているのではないでしょうか?