50代の女性の9人に1人
60代の女性の3人に1人
70代の女性の2人に1人
が骨粗鬆症である事が、国内の調査でわかっています。
一方で男性の骨粗鬆症患者は少なく、女性の約3分の1で、80代まではあまり多く見られません。
女性に骨粗鬆症が多い原因はホルモンの影響が関係しています。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨からのカルシウムが溶け出すのを抑制する働きがあります。
その為、閉経後女性ホルモンの分泌が急激に低下し骨密度が低下する事で、骨粗鬆症が生じるのです。
目次
骨粗鬆症と大腿骨頸部骨折
骨粗鬆症の女性は様々な部位で骨折が生じる可能性がありますが、転倒による骨折リスクが高いと考えられています。
中でも最も危険度の高い骨折は、股関節の骨折である大腿骨頚部骨折です。
これらの転倒による骨折の多くは、普段転倒しない様な場所で転倒する事が多く、実は「転倒するから骨折する」のではなく「骨折をする事で転倒している」可能性が高い事がわかっています。
大腿骨頸部骨折が多い理由は、加齢の姿勢の乱れにより、股関節の付け根である頚部の角度が変化する事です。
頸部への体重による負担が増え、骨粗鬆症になる事で骨折を引き起こすのです。
骨折予防に牛乳は悪?
「骨を強くする」
そんな時に最初に思いつくのは牛乳を飲むことだと思います。
しかし、近年
「牛乳はかえって骨密度を下げる」
「牛乳はガンなど病気の原因になる」
など、牛乳の体に与える影響が議論されています。
一方で、牛乳の飲むことで、体内の酸化ストレスが軽減したり、心疾患や糖尿病のリスクの軽減などプラスのデータも数多く存在します。
この様に、プラスとマイナスのデータが存在しています。
牛乳に関して現段階で言えることは、1日1〜2杯なら飲んでも問題ないと思います。
ただしチーズやヨーグルトなどの醗酵性の乳製品は、現段階ではあまりマイナスデータが出ていないので、おすすめです。
因みに、低脂肪牛乳・無脂肪牛乳は牛乳のプラスの効果を全て無くしてしまうそうなので避けた方が良いみたいです…
カルシウムの摂取を目的にしている人は、無理して牛乳ばかりから取らずに、小魚や海藻、大豆製品などから摂取すると良いかと思います。
骨粗鬆症予防
骨粗鬆症の予防に必要なことは、食事と運動です。
食事ではカルシウムに加えてカルシウムの吸収を促すビタミンDの摂取が必要になります。
ビタミンDは魚やきのこ類などから摂取でき、また日光を浴びることによって体内で生成されます。
一方で以下の物はカルシウムの吸収にもマイナスの影響を与えるので、控える様にしましょう。
アルコールの過剰摂取
カフェイン
タバコ
また運動を行うことが非常に重要です。
筋肉に負荷をかけるという事は、筋肉が付着している骨にも負荷が掛かります。
つまり、骨の成長を促すことが可能です。
体力的に可能であれば、ランニングや歩行などの有酸素運動ではなく筋力トレーニングを行いましょう。
特に骨で体を支える必要がある、スクワットなどの立位でのトレーニングを取り入れ、可能であれば徐々に強度をあげましょう。
年齢を重ねると誰にでも骨粗鬆症のリスクはあります。
是非骨粗鬆症にならず健康体で過ごせる様に、日頃から適度な運動と食事管理を行いましょう!
今日の一言
家や大切な人を失い、今も苦労して過ごしている方も多いと思うのですが、自分ができる事は何かと考えてもただただ無力さを感じるばかりです。
できる事は、その日その日に出会う目の前の人に喜んでもらう事、その連鎖が回り回って、一人でも被災者に元気を与えられたらなと、微力ながら思っています。
2020.3.11