▷ 体に痛みがある人
▷ コンディショニングに取り組む人
実は "体を左右均等に使うスポーツ" は少なく、スキーとバイクと陸上(長距離)とパワーリフティングくらいではないでしょうか?
バイクや陸上もトラック種目は回転方向が一定であり、競泳のバタフライや平泳ぎもスタートとターンを考えると、均等ではありません。
つまり、ほとんどのスポーツ動作は、体を左右を均等には使わず、体の歪みがある事は、当たり前と言っても過言ではありません。
果たして、この歪みは治すべきなのでしょうか?
これには、トレーナーや治療家でも様々な意見がありますが、僕の意見も交えつつ一考してみます。
目次
歪み治す治さない論争
体の歪みをすぐに治そうとする治療家や、左右の動きのバランスを正そうとするトレーナー、いわゆる「歪みを治す派」の人たちと、それに "待った" をかける「歪みを治さない派」の人がいます。
それぞれの言い分を、簡単にまとめてみると
・スポーツが左右非対称動作でも、体は均等に使えた方が良い
・体の歪みが痛みや怪我に繋がる
・歪みが悪化するとパフォーマンスが落ちてくる
【歪みを治さない派】
・内蔵は左右非対称なので歪んでて当たり前
・歪みを治すと、体のバランスが崩れ、パフォーマンスが落ちる
こんなとこでしょうか。
どの意見も「なるほどな~」と思う一方、どれも「条件による」といった "但し書き付き" であるとも言えます。(後ほど詳しくお話しします)
僕が取得している、トレーナーの資格NASM-PESのガイドラインをみてみると
左右非対称に動くスポーツでは、脊柱のバランス(歪み)は整えるべきだが、四肢(手足)の左右のバランスは整えるべきではない。
とされています。
なるほど、なるほど( ̄ー ̄)
しかし、これに準ずる為には、少し "矛盾" が生じます。
脊柱のバランスを整える為には "骨盤や肩甲骨のバランス" を整える必要があります。
そして、骨盤や肩甲骨のバランスを整えるには "左右の手足のバランス" を整える必要があります。
つまり、全体のバランス整えなければ、脊柱のバランスは整わないのです。
これら様々な考え方を元に、僕が「現段階の科学では、これが最適!」と考える方法をお話しします。
現段階での最適解
まず、自分が「左右対称に動くスポーツを行ってます!」と思う人は、すぐに体の歪みを整えましょう。
では、問題はそうでない場合です。
最初に、大前提ですが「人間の体はスポーツを行う事に、最適化されていません」
その為「スポーツ & 高強度 or 長期的な実施」により、体に歪みが生じ、何らかの問題が生じてきます。
高強度でスポーツを行うトップアスリートに "寿命" があるのは、この為です。
この前提を元に考えると、どんなスポーツでも高強度で続けるほど、体の歪みが進行し、遅かれ早かれ問題が生じる可能性が高いのです。
あのコンディショニングのスペシャリストでもあった、イチロー選手でも目標の「50歳まで現役」は叶いませんでした。
では、どの様にするのがベストなのか?
まず最初に言える事は「体に痛みがある場合は、歪みの改善からアプローチする」です。
痛みがない場合は、無理して歪みを治す必要はありません。しかし、遅かれ早かれ痛みが現れる可能性大です。
次が "肝心な部分" になります。
先ほどお話しした、NASM-PESのガイドラインに従うと「結局、左右の手足のバランスを治す必要がある」とお話ししましたが、ここを分解していきます。
例えば、骨盤を歪ませる要因は、左右の脚の "筋バランスの乱れ" です。
この筋バランスの乱れには、
② 左右不均一に強い筋肉
この2種類が存在します。
しかし、この両方にアプローチするのではなく「①の左右不均一に硬い筋肉のみにアプローチ」します。
つまり、硬い筋肉を調整する事で、一時的にバランスは整え、スポーツに最適化された左右の筋力差はそのまま残します。
この状態は、時間が経てば、再び①の問題が生じますが、ケアを続ける事で、大怪我や極度のパフォーマンス低下を防ぐ事が可能なのです。
スポーツを行う人は、常に体のコンディショニングを行い "スポーツに最適化された状態を維持する" 必要があるのです。
最後に、もう一度簡単にまとめます。
左右非対称スポーツ→歪みの根源である筋肉のコンディショニングを続け、スポーツに最適化された体を維持する
スポーツを行い、体の問題を抱える人は参考にしていただければと思います。
あ!スポーツを行わない人も、体に痛みがないなら無理して歪みを改善する必要はないと思います。
体の神経系へのストレスが減ると、力が入らない状態が解消されるな~と実感しています。