ヴィーガンが運動や体作りをする時の注意点 #231

昨今、日本でも健康や持続可能な社会といった観点から『ヴィーガン』『ベジタリアン』になる人が、増加している様です。
また、菜食主義者向けの商品も増え、モスバーガーやドトールコーヒーなどに行っても『ヴィーガンバーガー』なるもの販売されています。
 
しかし、ヴィーガンやベジタリアンは『スポーツ』『体作り』という観点でどうなのでしょうか?
 

 

目次

ヴィーガンが運動する時の注意点

ヴィーガンが運動する時の注意点
ベジタリアンにも乳製品はOKな「ラクト・ベジタリアン」や、魚もOKな「ペスコ・ベジタリアン」と言ったいくつかの種類があります。
その中でも、動物性の食品は一切口にしない "完全菜食主義" 「ヴィーガン」です。
 
近年セレブや有名企業の社長など、著名人が実践していたり、工場畜産の環境問題などが疑問視され、このヴィーガンになる人も増えているそうです。
しかし、ヴィーガンは肉や魚を一切取らない事で、不足してしまう栄養素があります。
 
それは

□ たんぱく質
□ ビタミンB12
□ クレアチン
□ 鉄

です。
 
通常、これらの栄養素の多くは肉や魚、乳製品から摂取している事が多く、ヴィーガンに不足しがちな栄養素です。
鉄に関しては、以前の記事でもお話した事がありますが、植物性の鉄分には非ヘム鉄という種類の鉄が多く、体内に吸収されにくいのです。
 
体作りやスポーツをする事を考えると、これらの栄養素はどれも重要になる為 "サプリメント" からの摂取が必須になります。
しかし、『体作り』という観点を考えた時に、いくつかの問題が考えられます。
 

植物性たんぱく質問題

ヴィーガンは、たんぱく質を豆類・ナッツ類・穀物などから摂取します。
しかし、よく『植物性たんぱく質は、動物性たんぱく質より吸収率が低い』と言われる事がありますが、どうなのでしょうか?
 
この問題に関しての研究によると

『低容量では動物性たんぱく質の方が吸収率が高いが、高容量で比較すると差がない』

という結果が出ています。
 
研究では、低容量では差があったものの、48gの高容量のホエイプロテインとライスプロテインには、有意差がないとの事です。
つまり、ヴィーガンは不足しがちなたんぱく質を、サプリメントなども活用ししっかりと多めに摂取する事が大切になります。

 

クレアチンはビーガンが有利?

クレアチンは "爆発的な力発揮" に使われる栄養素であり、アスリートには必須です。
 
これらは肉や魚などの動物性の食品に多く含まれ、ハードなトレーニングを行うアスリートはそれにプラスしてサプリでの補給も行います。
食品からのクレアチン摂取が不足するヴィーガンアスリートは、サプリからの摂取が必須なのです。
 
しかし、面白い研究があります。

普段クレアチンが枯渇しているヴィーガンの方が、サプリメントから摂取した時の、体内のクレアチンレベルの上昇が大きく、パフォーマンスの上昇効果が高い。

つまり、ヴィーガンの方がサプリメントの補給によるクレアチンの恩恵が受けやすい事が考えられているのです。

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運動パフォーマンスへの影響

運動パフォーマンスへの影
世界を見ると、ベジタリアンのアスリートは多く存在します。
あのリオネル・メッシ選手も「ラクト・ベジタリアン」である事で有名です。
 
世界最高峰の選手がベジタリアンの時点で、運動パフォーマンスにマイナスの影響がない事は明らかです。
 
実際にベジタリアンでも同じ様に運動パフォーマンスが発揮できるし、そこに有意差はないと言う研究結果も出ています。
因果関係は分かりませんが、メッシ選手は一時に肉食に戻したシーズンは、筋肉系の故障を何度か起こし、再度ベジタリアンに戻したと言う話もあります。
 
もしかしたら『運度パフォーマンス』『怪我』の両方を考えると、ベジタリアンの方が優位なのかもしれません。
 
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今日の一言
食事と体作りに関する常識も少しずつ変わってきている。
色々な食事法が提唱されるけど、まず大切な事は、食事が体や様々な事に影響を与えている事に興味を持ち、食べ物の本当の中身や生産背景などを知って、何を食べるのかを自分でチョイスする事なのだと思います。今の世の中、実はこれが難しい。

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