怪我をした際にアイシングを薦めると
『湿布は貼りました!』と回答する人が良くいます。
しかし、アイシングと湿布は全くと言って良いほどの "別物" です。
同じ様に冷却効果を感じるせいか、この2つを同等のものと捉えている人が非常に多い様に思います。
今回は『アイシングと湿布薬の違い』についてお話しします。
目次
アイシングの効果と方法
【効果】
アイシングは一般的に怪我をした際に、内出血が拡散する事による腫れや炎症を抑える為に行います。
アイシングを行い身体の深部まで冷却する事で、血管を収縮させ血液の流れを抑えます。
【方法】
アイシングは受傷後できるだけ早くから行う事が有効で、一般的に15~20分程患部周辺の感覚がなくなるまで行います。
アイシング後は約60分間隔を空け体温が常温に戻った時点で再度アイシングを行います。
受傷後24~72時間これを繰り返す事で、怪我の悪化を最小限に抑える事が可能になります。
湿布薬との大きな違い
確かに冷湿布を貼る事で患部が冷んやりとするので、しっかりと冷やしている感覚が得られると思います。
しかし、これは "メンソール" などの成分による効果で、皮膚の表面温度を2度程下げる効果があっても、深部体温を下げる効果はあまり期待できません。
つまり『冷湿布を貼る事でアイシングで期待できる様な怪我の応急処置の代わりにはならない』のです。
湿布は鎮痛作用のある薬を皮膚を通して浸透させるもので、塗り薬の様な物なのです。
怪我をした際は、必ず "アイシング" を行い、湿布は就寝時や内出血が収まった時点で使用すべきなのです。
まとめ
アイシングも湿布薬も同じ様な冷却効果があると思われがちですが、実際は "全くの別物" です。
怪我の応急処置ではアイシングで深部体温を下げ内出血の拡散を防ぐ事で、怪我の悪化を抑えます。
一方で、表面体温しか下げることのできない冷湿布は、怪我の悪化を根本的に防ぐ事ができません。
怪我をしてしまった際の初期対応では、必ずアイシングを行う様にしましょう。