4月8日に緊急事態宣言が発令され、多くのスポーツジムは休館を余儀無くされました。
スポーツジムは早期にコロナ感染者が確認された事から、政府から名指しで注意喚起され、3月に入り利用者が激減、そして緊急事態宣言で多くの施設が休館となりました。
ウィルスの温床として容易に思い当たる、キャバクラや風俗産業への政府の対応が遅れた一方で、屋形船、ライブハウス、雀荘などの "娯楽施設" と並列で "スポーツジム" の名前は早期から上がっていました。
もちろん人が集まる場所ではあるので、現状致し方ないのかもしれませんが、スポーツジムは「娯楽施設ではなく、健康を支えるインフラ」です。
事実、多くの人が体を動かす場を失い "コロナ太り" 更には "コロナうつ" といった言葉も目につく様になりました。
拡大するコロナによる "健康二次被害" への対策を、早急に考えなくてはいけません。
目次
スポーツジムは健康インフラ
既にコロナウィルスは "世界的な経済恐慌" を引き起こし始めています。
アメリカでは、フィットネスジム大手LAフィットネスが、9割以上の従業員を一時的に一斉解雇しました。
そもそも施設の維持費が高く、利益率の低いスポーツジムは、会費収入がストップした途端、一気に "火の車" になるのです。
この様な現象は恐らく氷山の一角であって、日本企業も決して対岸の火事ではないはずです。
スポーツジムは「地域の人々に、体を動かす場を提供する施設」として存在しています。
そもそも、体を動かす事は、
加齢による衰え
ストレス
うつ
認知症
生活習慣病
など、様々な問題の対策に役立ち "予防医療" には欠かす事ができません。
例えば、50代以上の人であれば、仕事を失い、更には家に引きこもる生活が1か月も続けば、一気に "認知症" になる事も考えられると思います。
つまり、これらの健康二次被害が増える事によって "社会的損失" が膨らむのです。
日本ではここ数年で、健康ブームの波もあり、ようやくスポーツジムが首都圏のみならず、地方都市にも増え、フィットネス人口が増え始めていました。
今回のコロナによる経済恐慌で、スポーツジムを経営破綻すれば、再び地域の人が手軽に体を動かす場を失う事になります。
これに比例して健康被害が増え、国の医療・介護への税金負担が増えるのです。
この様に、スポーツジムは決して娯楽施設ではなく、医療・福祉施設寄りの「健康を支える為のインフラ」なのです。
もし国が予防医療に力を入れ、健康保険などがこの様な事業に適用されれば、健康寿命も伸び、現在の医療・介護に掛かる税金も減るのです。
スポーツジムwithコロナ
緊急事態宣言が緩和された後には、早急に経済活動を再開しなくてはなりません。
しかし、スポーツジムや娯楽施設、宿泊施設、などの "サービス業" は、簡単に顧客をビフォアーコロナの水準まで戻す事は "困難" であると予想されています。
やはり、多くの人が、ワクチンが開発されたり、画期的な治療法が見つかるまでは、人混みを避け "行動を自粛" する様になるはずです。
スポーツジムに関しては、既に半分以上の会員様の退会が出ている施設もあると聞きます。
施設の営業が再開されても、退会者が増える流れは今後も続くはずです。
スポーツジムに通う人を
□ 週2~3日以上の高頻度の利用者
□ 週1回以下の低頻度の利用者
に大きく分けると、
フィットネスクラブ市場調査によると、年代にもよりますが8割の利用者は、低頻度の利用者なのです。
低頻度の利用者の多くは、そもそもスポーツジムの利用価値があまり高くないと考えられるので、減少傾向が大幅に強まるはずです。
また高頻度の利用者は
□ 健康を維持する高齢者
□ コアなフィットネスファン
の2つのグループ分ける事ができます。
コロナウィルス感染リスクを考えた時に、重症化しやすい高齢者は、リスクが指摘されているスポーツジムに、来る人は減少するはずです。
つまりは、残る層は「コアなフィットネスファン」なのです。もしかしたら全体の "1割にも満たない層" かもしれません。
しかし、まずはしっかりこの層の方々に利用していただき、徐々に「感染対策をした、安全性が高い施設」にシフトしながら運営をし、会員数を増やしていく必要があります。
もしかしたら大きな施設は、事業を縮小を止むを得ないかもしれません。
また、「体を動かしたいけど、人と触れたくない」という層が大幅に増える事から "オンラインでの事業" の展開も必要になってくるはずです。
フィットネス事業に携わり、情報を配信している、一健康従事者として、これから始まる "withコロナ時代" に「どの様に人々の健康を守っていく事ができるのか」を考え、行動に移していこうと思います。
失業率に比例して自殺率も増える事がわかっています。
コロナによる死者より、圧倒的に増えるであろう自殺者…「本当にこの自粛が正しいのか?」なんだか、非常に複雑な気持ちになります。