スポーツの為に、日々トレーニングに励む方は多いと思いますが、今のトレーニングはスポーツの為に本当にプラスになっていますか?
ここでまず、トレーニングの目的を再確認してみます。
□ 怪我の予防
この2つが大きな目的になるはずです。
ここで抑えておきたい重要なポイントは、必ずしも
『筋肉をつける事』
『重さを持ち上げる事』
これらはその目的の達成の為に、プラスに働くとは限らないという事です。
ここを履き違えてしまうと『使えない筋肉』と、せっかくの努力を全否定されてしまう事になります。
そして、この目的を達成する為には。新しい動作を覚える必要があります。
その為には、トレーニングを使って『新しい動きを "無意識に" 使える体』を作る必要があるのです。
目次
スポーツとトレーニングの動作
これは、過去にも繰り返しお話ししている事ですが
『トレーニングはあくまでもスポーツの為の "補強" であって、スポーツ動作を練習する事が目的ではありません』
よくトレーニングをスポーツの動作に近づけたがる人もいますが、これはプラスにならないどころか "マイナス" になる事すらあります。
昔で言う、バッターが重りをつけたバットを振っている様な物で、重りを外すとタイミングが全く変わってしまい、スイングスピードが上がってもミート率は下がってしまいます。
この様にスポーツの練習は、実際のスポーツと同じ条件下でなければ、あまり意味をなさないのです。
ではスポーツ動作とトレーニング動作を、どの様に棲み分けて考えたら良いのか?
簡単に表現すると、強い外力の中、複雑な動作が必要なスポーツ動作が「発展」、シンプルな動作をするトレーニングが「基礎」です。トレーニングは、この基礎を作る作業なのです。
それぞれのスポーツによって動作は異なりますが、全てのスポーツに共通する事は 『同じ体を使っている』という事です。
トレーニングにおいては、人間の体の構造上、どの様に動作すれば、負担なく効率よく動けるかは概ね明らかになっています。
実は、トッププレーヤーであっても "動作の基礎" ができていなく大怪我をする人や、伸び代があるのに見過ごしている選手も少なくありません。
トレーニングは『スポーツの為の補強』という位置付けであり、体のポテンシャルを伸ばす作業であるので、スポーツと全く別の動きをする事にこそ意味があるのです。
新しい動作を覚える方法
新しい動作を無意識に使える様にする為に "反復練習" を行う人が多いかと思います。
しかし、ただ反復するだけでは、スポーツの中でその動作を活かす事はできません。
そこで新しい動作を体に覚え込ませる為に、最も重要になる事は
『体がキツイと感じる強度の中で、その動きをする事』です。
ん?当たり前?
しかし、トレーニングを見ていると、多くの人はこれができていません。
トレーニングにおいて、一般的に "強度と運動の質は反比例" します。
強度が高くなり、キツく感じ始めると、運動の質が低下するものです。
キツイと感じると、体は本能的に自分が楽にできる動作、つまりクセが出やすくなります。
しかし、キツイと感じた時に自分のクセを出してしまっては、新しい動きを身につけるどころか、自分のクセを確固たるものにしてしまうのです。
つまり、キツイ時に "無意識に出る動作を、意識的にコントロールする事" が重要になるのです。
多くの人は、トレーニング中『重さや回数をこなす事』にフォーカスしてしまいますが、最も意識と力を注ぐべき所は『運動の質を落とさない事』です。
質が崩れそうになったら、無理に上げずに補助に入ってもらうか、そこで中断しましょう。
キツイと感じる強度の中で、しっかりと新しい動きを行う事ができれば、その動作が定着しやすくなり、それに近い強度や、それ以下の強度では、無意識にその動作を行える様になるのです。
スポーツの練習の中では、意識しなくてはならない事も多く、基本的な体の動作に意識を配る余裕はありません。
スポーツの為の "補強" であるトレーニングの中で、体の動きの基本を覚え、高いポテンシャルのある体を作る事が、非常に重要になるのです。
追い込まれると、どんどん化けの皮が剥がれてくる人もいますが、そうならない為にも強い体と心鍛え続けなくてはいけないですね..