SAQとは?素早い動きを可能にする為の必須要素 #305

多くのスポーツでは、レベルが高くなる程スピードが上がり、その中で "正確に身をこなす事" が求められます。

 

しかし、ここには "速度の壁" が存在し、多くの人が「ゆっくりならできても、速くなるとできない…」といった状態に陥ります。

 

当たり前ですが、バッティングセンターの球を打ち返せても、ハンカチ王子の球を打ち返せません。
ドリブルで幼稚園児を抜かせても、田中マルクス闘莉王は抜かせません。
#ハンカチ王子引退
#マルクス王子は一昨年引退

 

もちろん「その速度域の中でトレーニングをする」という事も重要になりますが "すぐに適応できる人" と "いつまでも適応できない人" がいると思います。

 

適応できない人に対して、よく「運動神経!」「もう若くない!」という一言で片付けられてしまいますが、「適応できない人は、何が足りないのか?」を、もう少し解像度を高めて分析してみます。

 

 

目次

SAQとは?

SAQトレーニングとは
スポーツパフォーマンスを向上させる為に「身のこなしの速さ」を鍛える事が重要となりますが、その方法に "SAQトレーニング" と呼ばれるものがあります。

 

SAQトレーニングとは
「S=スピード、A=アジリティ、Q=クイックネス」の略称です。

 

これらの違いを簡単に説明すると

■ スピード
前に進む速さ
■ アジリティ
移動を伴う方向転換の速さ
■ クイックネス
止まった状態からの速さ

専門的には、この3つの要素に分ける事ができます。

 

これらは、100Mの陸上選手であれば "スピードとクイックネス" を、サッカー選手であれば "スピードとアジリティ" を、キーパーなら "クイックネス" をといった具合に、どの要素を重視して鍛えるかはスポーツ競技によって異なります。

 

しかし、この全てに共通して必要な能力がなければ、いくらSAQトレーニングを行っても限界値は低く、あまり成果が出ない事があるのです

 

 

SAQに必要な能力

SAQに必要な要素
SAQ全ての動作に必要になる能力は「筋力」です。

 

例えば、運動事に脚に掛かる負荷は

■ 歩行    体重の1.5~2倍
■ ランニング 体重の約3倍
■ ダッシュ  体重の3倍以上

おおよそこのくらいの負荷が、片脚にかかると言われています。

 

例えば、体重60kgの人は、ランニング時に180kgの計算になります。
恐らく、ランニング中に「ピタ!」っと止まれば、この位の負荷が掛かる気がしますが、実際はその負荷をいなして "前に進むエネルギー" に変えていると思います。

 

つまりは、SAQを高い次元で動作すればするほど "強い筋力" が必要なのです
#陸上100M選手が筋骨隆々の所以

 

どんなに柔軟性が高めても、コアトレーニングをしても、バランストレーニングをしても、スクワットでそこそこの重量が持ち上がらなければ、素早く能力は高める事は難しいのです
#まず筋力をつけるのが手っ取り早い

 

 

「トランジションフェーズ」という考え

トランジションフェーズとは
更にも、もう少しだけ分解して考えてみます。
基本的に運動動作は、筋肉の伸び縮みの連続です。「伸びる→縮む→伸びる→縮む」という事です。

 

この伸びると縮むの間には、筋肉の役割が180度切り替わる "トランジションフェーズ" というものが存在します。「伸びる→トランジションフェーズ→縮む」という事です。
(詳しくは、以前の記事でご紹介したので是非ご覧ください)

 

身に付けたい動作が「SAQのどの要素なのか?」によっても、このトランジションフェーズの役割や、トレーニング方法が変わってきますので、是非ご自身の行うスポーツ動作を分析して、考えてみると面白いと思います。

 

もし今、素早く正確な動作が苦手でも、これらの要素を身につければ可能になるはずです。
是非「自分の体に何が足りないのか?」を正しく評価し、足りない要素を補足するトレーニングに取り組んでいただければと思います。

 

 

今日の一言
もう少し深掘りすると前庭感覚や感覚統合といった話が出てきますので、興味がある人は是非調べてみてください。

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