トレンデレンブルグ歩行とは?その原因と改善方法 #211

怪我をしやすい人の歩き方を観察すると、歩き方に "怪我の徴候ちょうこう" が現れている事がよくあります。

 

その代表的な症状に「トレンデレンブルグ徴候」というものがあります。
「トレンデレンブルグ徴候」は、聞き慣れない言葉かもしれませんが、専門家の中では有名な "怪我予備軍" の歩き方なのです。

 

歩き方に問題があると、走ったり、運動をする事で、更に体に負担が掛かる為 "怪我のリスク" が増大するのです。

 

 

目次

トレンデレンブルグ歩行とは?

代表的な体を痛める歩行障害に「トレンデレンブルグ徴候」というものがあります。

 

トレンデレンブルグ徴候(Trendelenburg's sign)とは、中殿筋が麻痺しているとき、歩行の片足支持期(片足に体重が載った時)に骨盤が傾く現象をいう。 名前はドイツの外科医フリードリヒ・トレンデレンブルグに由来する。

 

つまり、歩行時に中殿筋が正常に機能せず、体にダメージを与える歩行動作の事です
この徴候によって、膝・股関節・腰などに過度な負担が掛かり、痛みを引き起こす可能性が高まるのです

 

この徴候があるかは、以下の様に簡単にチェックする事ができます。

① リラックスし真っ直ぐ立った状態から、片膝を上げる。
② この時に、グラつきがあるかをチェックする。

トレンデレンブルグ徴候とデュシャンヌ徴候

 

左の様に、お尻が外側に外れる場合「トレンデレンブルグ徴候」があります。
また右の様に、上半身が外側に倒れる場合「デュシェンヌ徴候」と呼ばれる、別の歩行障害の徴候があります。
真っ直ぐとバランスよく立てる場合は、特に異常はありません。

 

この様に、トレンデレンブルグ徴候は、歩行時にもお尻が外側に外れ「お尻を左右に振る歩行動作」が特徴です

 

 

歩き方の改善方法

歩き方
トレンデレンブルグ徴候を改善する為には "中殿筋" を鍛えていく必要があります。
中殿筋を、鍛える為には片足トレーニングが、非常に効果的です。

 

また実際の歩行時に以下の事を意識し、改善を行いましょう。

① 中殿筋(骨盤の下のやや外側のお尻)を両手で触る。
② 足を地面に着いた時に、お尻が手を押し除けて、横にスライドしない様に気を付ける。
③ その際に、中殿筋が硬くなるのを確認する。

 

ある程度、お尻のトレーニングで、中殿筋に力が入る感覚を養う必要がありますが、歩行時に中殿筋を使える様にする事で、膝や股関節などへの負担を減らす事ができます
体に痛みを抱える人は、トレンデレンブルグ徴候をチェックし、必要があれば改善に取り組んでください。

 

今日の一言
最近かなり深く解剖学を学んでいるのですが、体の事もまだまだ研究段階で、今まで当たり前であった知識が覆るなんて事もよくあります。
トレーナーとして、1人でも多くの人の体を良くする為に、最新の情報を入手し学び続ける事は本当に大切なのです。
稼いだお金で、勉強する為に投資、この繰り返しです。

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