10月は、夏のスポーツがシーズンオフに、冬のスポーツがシーズンインに突入する "季節の変わり目" でもあります。
スポーツによってシーズンの長さは様々ですが、調子を維持する為には "体の調整" が必須です。
今シーズンの大谷選手をみても「シーズンを通して調子を維持する事」の難しさがうかがえます。
多くの選手はシーズンオフに「体のポテンシャルを上げる作業」としてトレーニングを行いますが、これをシーズンインと同時に止めてしまっては、シーズン序盤にピークを迎え、早い段階でピークアウトしてしまいます。(詳しい理由は「フィットネス疲労理論」の記事をご参照ください)
#あくまでも体のパフォーマンスのお話
そんなこんなで、体の回復やピーキングが必要なシーズン中に「どの様な形でトレーニングを取り入れていくべきか?」を考えてみます。
目次
トレーニングの維持はマスト
シーズン中にトレーニングを継続する目的は「体の高いパフォーマンスを維持する事」です。
「フィットネス疲労理論」にもある様に、トレーニングを行わず体を回復をさせたとしても、高いパフォーマンスの発揮を期待する事ができません。
つまり「シーズン中にトレーニングは継続するはマスト」という事です。
#超回復理論の罠
#作った体はトレーニングなしでは維持されない
しかし、試合当日に "筋肉痛" などの疲労が残っている状態では、高いパフォーマンスを発揮する事が難しくなります。
シーズンが始まり試合が増えると、トレーニング量や強度の調整が必要になるのです。
では、どの様なポイントを抑えてトレーニングを取り入れるべきか?をいくつか挙げてみます。
トレーニングの取り入れ方
絶対に抑えるべき事は「試合当日に "大きな疲労" を残さない」という事です。
大きな疲労とは、筋肉痛など、明らかにパフォーマンスの低下につながる要素です。
シーズン中のトレーニングで気を付けるポイントには
■ トレーニングを休止しない
■ 新しい種目を入れない
■ 体の状態が悪い時に無理しない
などがあると思います。
トレーニングの頻度や時間の調整
繰り返しになりますが、シーズン中のトレーニングの目的は「体の高いパフォーマンスを維持する事」であり、体の成長を目指すものではありません。
今回のお話は「オフシーズンにしっかりとトレーニングを積んでいる」という前提です。
例えば、スクワット100kgを10回上げる能力を維持したいのであれば、これを4セットも5セットも繰り返す必要はありません。
シーズンオフでの取り組みより、頻度やボリュームを落とす必要があります。
更には、試合の直前などでは、クリーンやジャンプ種目など "高負荷低回数の種目" を行う程度のトレーニングに留めておきましょう。
もちろん、スポーツによって "試合頻度" が異なるので、この調整も異なります。
「試合に向け疲労を残しすぎず、パフォーマンスの高い体を作る事」を抑え、試合に向けて体の調整を行いましょう。
トレーニングを休止しない
トレーニングを長期間休止してしまうと、トレーニングに慣れるのに筋肉痛が残ったり、順応するのに時間が掛かります。
頻度は落としても、シーズンオフよりボリュームを落としていれば、トレーニングによる疲労は抑える事ができます。
万一、数週間空くような場合は、低強度から徐々に体を慣らすようにしましょう。
新しい種目を入れない
基本的には、シーズンオフに行っていたトレーニングを行うようにしましょう。
新しい種目は、体に疲労が残りやすくシーズン中に導入するのは危険です。
クリーンなどのパワー系の種目も、シーズン中のみ行うのではなく、シーズンオフからしっかりとトレーニングしておくべきです。
体の状態が悪い時に無理しない
試合が続くと、否が応でもでも "疲労" は蓄積します。
場合によっては、ダメージが残っていたり、バランスが大きく崩れている事もあると思います。
高負荷を掛けるトレーニングは "体の状態" を考慮し行う必要があります。
もし「疲れているけど…」「腰が痛いけど…」この様な状態でトレーニングを行うと、状態を悪化させることに繋がりかねません。
目的達成の "手段" であるトレーニングによって、体の状態を悪化させてしまっては元も子もありません。
この様な場合は、無理せず体のコンディショニングを優先させるべきです。
パフォーマンスの高い体というのは「怪我をしない体」と同義です。
シーズンを最後まで戦い抜く為に、体の声にしっかりと耳を傾け、高い水準でバランスを維持できる様に取り組んでください。
コンディショニングに時間を使いながら、適切にトレーニングを継続する事が難しくも大切です。