「積極的リモートワークの推奨」により、通勤という日常的な活動が激減した事で「運動不足だな〜」と感じる人も多いと思います。
例えば、平日勤務で片道1時間かけて出社していた人が、在宅勤務となった場合、単純計算で1日2時間、週10時間の移動がなくなり、スタンディングデスクでもない限り、座っている時間が1日2時間ほど増える事になります。
もともと、日本人の平均座位時間は、世界20か国の平均が5時間と言われている中、"7時間" でNO.1であると言われています。(シドニー大学. 2011)
僕も緊急事態宣言が明け、現場での指導活動を少しづつ再開しています。
しかしそこで、多くの人が "姿勢" や "骨盤の角度" などに変化、以前と比較して動作の質が短期間にも関わらず、大きく低下している事に驚きました。
もちろん、運動する事が制限され、座っている時間が長くなった人がほとんどなので、当たり前と言えば当たり前なので、時間をかけ少しづつ戻していく必要があります。
体作りを行う習慣がある人はそこに気付けるかもしれませんが、習慣のないスポーツ愛好家は、すぐにスポーツを始める為に "怪我のリスクの増大" が懸念されます。
言ってしまえば、短期間に10年ほど歳を取った体で、動き出す様なものです。玉手箱状態です。
これもまた "緊急事態宣言による弊害" です。
スポーツ選手や愛好家は、早急に怪我のリスクを下げる必要があります。
目次
習慣と体の変化
欧米では「座る事は第二のガン」と言われるほど、座る時間が増える事への健康被害が懸念されています。
つまり、日常的な習慣の良し悪しが、病気のリスクに大きく関与しているのです。
長時間の座り姿勢は、体の "血流を悪くする事" で病気を誘発し、"筋肉を硬くする事" で怪我のリスクも劇的に高めます。
体作りの習慣が、スポーツや健康にプラスの結果を生み出す事と同様に、座り時間が増える習慣は、体に大きな "マイナスの変化" をもたらします。
例えば、今までほとんど座る事がなかった人でも1~2時間座る時間が増えただけで、体にマイナスの変化がおきます。
僕自身も、現場で長時間立って仕事をしていた時期と比べて、数年前からデスクワークをする時間が増え、ケアを怠りトレーニングを続けた結果、体を痛めた経験があります。
お客様の話を伺うと、在宅勤務で家にローデスクしかなく、かなり "劣悪な姿勢" で仕事を続けている人もいました。
いつもと違う習慣が続く事によって起きた、体の問題を把握し改善しない限り、スポーツで以前と同じパフォーマンスを発揮する事は困難になります。
変化が起きやすい部位と怪我
長時間座り姿勢を取る事で、以下の様な体の変化が起こり得ます。
□ お尻の筋肉が働かなくなる
□ 猫背になり背中が硬くなる
□ ストレートネックになる
□ 肩こり、腰痛、偏頭痛
つまり、体の機軸となる "股関節と肩甲骨" 周りの機能が壊滅的になります。
座り姿勢は、体重が太ももを圧迫し、血流が悪くなるだけでなく、股関節を曲げている事、骨盤が寝る事、首が前に出る事などで筋肉に問題を引き起こします。
これらの変化が体に生じた状態で、スポーツを行う事は、肩や膝など関節を痛めたり、靭帯や筋肉の損傷など様々な怪我が起こる可能性を増大させます。
怪我をしない為に
繰り返しになりますが、想像以上にこの数か月で、多くの人の "体の機能は劣化" しています。
しかも、一度低下した機能はしっかりとリハビリを行はない限り、日常の生活に戻ったとしても "後遺症" として残り続けます。
しかし、トレーニングをする習慣がないスポーツ愛好家は、その様な体の変化を無視して、いつも通りスポーツを行う可能性が考えられます。
僕が従事しているスキー業界も、まだまだシーズンまでは半年弱ありますが「来シーズンの怪我人は激増するのではないか?」と個人的には危惧しています。
トレーニングやスポーツの中で「何か調子が悪いな」とか「体に違和感・痛みがある」と感じたら、すぐに強度を落としたり運動を中止し "その原因を究明する事" が大切です。
心理的に、一度できていた事、この間までできていた事が、急にできない体になっていても "その現実をすぐに受け止めれずに" ストップを掛けれず無理をしてしまう事が、往々にしてあります。
子供の運動会で怪我、をする親御さんと同じです。
スポーツ再開で怪我をしない為に、今自分の体に起きてる問題を必ずチェックしてください。
もしご自身でチェックが難しい様でしたら、オンラインでのサービスも行っていますので、是非ご利用いただければと思います。
その度に、体を研究し、そうならない為の動作を覚えてきました。
痛めやすい体を恨んだ事もありますが、見方を変えるとその繊細さが、正しい動きを教えてくれました。
今ではそんな体に感謝しています。そして本当の意味での強さを探究し続けています。