「体の痛みが治らない」
「どうしてもお尻がうまく使えない」
この様なお悩みを持つ人は "ファイアリングシークエンス" に問題がある可能性があります。
はい、久々に小難しいカタカナ語です。
ファイアリングシークエンスとは、専門的用語ですが、簡単に言うと「筋肉に力が入る順序の事」です。
実は、特定の筋肉が硬くなる事によって、この力の入る順序が乱れる事があるのです。
この乱れが、体の痛み、姿勢の不良、運動パフォーマンスの低下を、引き起こしている可能性があるのです。
目次
ファイアリングシークエンスとは?
「ファイアリング(発火)+シークエンス(順序)」は日本に訳すと "発火順序" です。
筋肉が働く事を、専門用語で "発火" と言いますが、筋肉は脳の指令を受けて1つずつ順番に力が入るのです。
手足を動かしたり、体を動かす時に「この順序で筋肉に力入れよう!」なんて、わざわざ考える人はいないと思いますが、この力の順序は、脳の指令による神経系によって支配されているのです。
しかし、姿勢の不良など何らかの要因により、筋肉に過剰な緊張が生じる事で、この順序に狂いが生じ、正常に動かなくなる事があるのです。
股関節伸展のファイアリングシークエンス
地面を蹴って、股関節が後ろに伸びる動きを "股関節伸展" と言いますが、この動きのファイアリングシークエンスは、
② 大殿筋
③ 反対側の脊柱起立筋
④ 同則の脊柱起立筋
この順序で、筋肉に力が入る事が正常です。
例えば、脊柱起立筋が硬くなっていると、②の大殿筋より先に、③や④が入ってしまう事があります。
この様な乱れが生じると、お尻の筋肉がうまく使えず、腰部に過剰な負担が掛かっている可能性があるのです。
肩関節屈曲のファイアリングシークエンス
「手を横から上にあげるとき」のファイアリングシークエンスは、
② 三角筋中部
③ 僧帽筋上部
肩の痛みであるインピンジメント症候群が生じる時、②の三角筋中部が硬くなっている可能性が考えられます。
また「手を前から上にあげるとき」のファイアリングシークエンスは、
② 大胸筋上部
③ 僧帽筋下部
です。
この様に、五十肩など肩の痛みがある場合は、この様なファイアリングシークエンスをチェックする必要があるのです。
ファイアリングシークエンスのチェック方法
上記の様な、ファイアリングシークエンスのチェックは、筋肉を触る事で簡単に行えます。(セルフでは困難です)
脱力している姿勢をとって、そこから関節を動かします。
順序を確認する筋肉に、チェックする人が手を置いた状態で動作を行い、その筋肉に力が入る順序を触診でチェックします。
□ 股関節の伸展のチェック
うつ伏せの状態で、チェックする脚の股関節伸展動作を行います。
□ 肩関節屈曲のチェック
手を下ろした姿勢から、手を持ち上げて肩関節屈曲動作を行います。
体の問題が解決しない時、このファイアリングシークエンスの異常を、一度疑ってみてください。
自然と共生して行かなくてはいけない世界、ウィルスが蔓延する現代。色々考えさせられます。