運動の "習慣化" は「もっとも難しい習慣化の作業のひとつ」とも言われています。
しかし、習慣化ができた人の中には、やらない事や、強度を落とす事に "不安" を感じてしまい、体の声を無視し続けた結果、 "オーバートレーニング症候群" に陥ってしまう事があります。
#運動しない人には信じ難い
本来、体にとってプラスの働きを期待して行う筋トレも、闇雲に続け "オーバートレーニング症候群" になってしまっては本末転倒です。
傍から見ると「いやいや、休めばいいじゃん…」と、簡単な事の様に思うかもしれません。
しかし、ダイエットに夢中になる人が "摂食障害" に陥る事がある様に、ここには "心理的な問題" がはらんでいることも少なくないのです。
目次
筋トレでオーバーワークの症状
トレーニングをやりすぎる事で "オーバートレーニング症候群" に陥る事があります。
代表的な症状には、以下の様なものがあります。
■ 疲れやすい
■ 睡眠障害
■ 食欲の低下
■ 体重の急激な減少
■ 集中力の低下
■ イライラしたり不安になる
■ 安静時心拍数の上昇
■ 血圧の上昇
これらは「疲労の蓄積」や「栄養不足」によって、体の回復が間に合わなくなる事で起こることがあります。
重度の症状になると "うつ病" や "横紋筋融解症" といった「命に関わる問題」を引き起こす可能性もあるのです。
もちろん、散歩やジョギングなど、1日で十分回復する軽い運動であれば問題ありません。
しかし、運動強度が高くなると話は変わってきます。
実は、このオーバートレーニング症候群は「真面目な人ほど陥りやすい」とも言われています。
非科学的な間違った教え
かつては "精神論" が蔓延していたスポーツの指導現場も、科学が進んだ現代では "結果への効率" が優先され、トレーニング法、食事法などあらゆる面が見直されてきています。
#日本は遅れ気味
オーバートレーニング症候群も、ひと昔前なら「根性なし」の烙印を押され、あまり問題視されていなかったかもしれません。
もし「練習量が多い方が良い」「練習強度は高い方が良い」といった "非科学的な思想" を、選手や指導者が持っていると、真面目な人ほど、自ら首を閉めることにもなりかねません。
#間違った努力
#真面目な日本人が陥りがち
もちろん過去には、この様なハードなトレーニングをこなし、結果を出してきた人もいると思います。
しかし「耐えられた人だけが生き残れる手法」は、決して効率的とは言えません。
よく日本の選手が、海外のチームに入ると「練習量の少なさに驚く」と言った話を聞きます。
海外のチームは「どのくらいの練習量が最も効率的なのか」を考えた上でメニューを作っています。日本のチームは "練習量至上主義" を掲げていては、いつまで経っても海外に通用しません。
#労働大国日本
#掛けた時間より結果が大事
今シーズン大活躍を魅せた大谷翔平選手も、コンディションを考慮し、試合前のピッチングやバッティング練習を大幅に控えていたそうです。
#勇気と希望をありがとう
オーバートレーニングを防ぐ為に
オーバートレーニング症候群を防ぐ為には、自らの取り組みを客観的に判断し「本来の目的を見失っていないか?」を考え、トレーニングに取り組む必要があります。
また「オーバートレーニングが起こると効率が下がる事」を認識し、普段から以下の様に工夫してトレーニングに取り組む事で、未然に防ぐ事が可能です。
■ 運動強度を落とす日や期間を作る
■ 日によってメニューを変える
■ 調子が悪い時に無理して続けない
■ 完全休養日を作る
トレーニングは、体を酷使するだけではなく、体と対話し、コントロールできる様になる事が非常に重要です。
体の警告信号を無視し、トレーニングを続ける事は、自ら寿命を縮める自爆行為です。
もちろん体の強さや回復速度は、体質や取り組みによって異なる為、正解があるわけではありません。
トレーニングを通して、自分の体を知り、上手に成長させていく事が、長く強くある為には大切なのです。
実力がない人ほど、焦りと共にこのマイナスの循環に陥るのですが、かえってそれが実力を下げているという事実に気づかなくてはならないのです。