欧州ではサッカーシーズンがスタートし、日本では夏が終わり、スノーシーズンが近づいてきました。
競技シーズンが、はっきりしているスポーツでは、シーズンオフに重点的に行うトレーニングを "オフトレ" と呼んでいます。
このオフトレが「シーズンを過ごす上での、体の基盤になる」という事は、言うまでもありません。
ここでは、特に体作りという観点でのオフトレのお話ですが、「もう少しでシーズンが始まる!」というタイミングでは、オフトレにも徐々に変化をつけていく必要があるのです。
目次
スポーツとオフトレの関係
まず、オフトレの役割の確認ですが「スポーツと、その為に行う練習以外のオフトレは、全くの別物である」という前提があります。
もう少し詳しく言うと「オフトレは、過去の自分ができた動作と、違う動作を身につける為の作業」
つまり、ポテンシャルを上げる作業であり、過去の自分と違う新しい体で、競技に打ち込む為の準備なのです。
しかし「オフトレとスポーツ競技が別物」と言っても、シーズンが近くにつれ、この内容に変化をつけていく必要があります。
シーズン直前のポイント
最も重視すべきポイントは「スピードの変化」です。
例えば、野球のピッチャーが新しい投球フォームを覚える時。
最初はゆっくりの動作や、遅い球速の中で、正確に動作をトレーニングをします。
しかし、ここでトレーニングを終え、100%の力を出す実践に入ってしまっては、新しい動作を取り入れる事はできません。
当たり前ですが、練習でも徐々に100%に近い球速でトレーニングを行い、試行錯誤する必要があります。
高齢者のトレーニング指導の中でも、こんな事がよくあります。
トレーニングを終えた後、明らかにトレーニングより速い動作速度(高い強度)でスタスタと歩いて帰る。
いや、日常動作の方が強度高いじゃん笑
見たいな事があります。
もちろん、ゆっくりと正確にトレーニングを行う事は大切ですが、いつまでもその速度で行うのではなく、より実践(歩く)の速度に近い強度でトレーニングしないと意味がないのです。
多くのスポーツ動作は、実践に近づくほど、強度が高く、素早い運動動作が要求されます。
つまり、トレーニング動作を、スポーツに生かす為には、徐々にスピードを上げた中で正確に動ける様に、トレーニングを行うべきなのです。
SAQトレーニング
専門的な言葉でいうと、瞬発的なトレーニングの事を "SAQトレーニング" と呼びます。
しかし、あまり難しく考えず、とりあえずスピードを上げましょう。
スクワット → ジャンプスクワット・ジャンプランジを取り入れる
デッドリフト → クリーンなど、クイックリフトを取り入れる
などです。
この様な瞬発的な動作の中で、正確に強く動作ができる必要があるのです。
更には、この様なトレーニング中で、スポーツで非常に重要な "瞬発的なコア" を鍛える事もできるのです。
ただし、強度の高いオフトレは、正確に動作ができないと、怪我のリスクもあるので十分に気をつけてください。
また、今までとは違った疲労の溜まり方が考えられるので "コンディショニング" も忘れずに行いましょう!
しっかりとベースができていると、過去の自分より速く走れるし、遠くに跳べる。
体の状態をしっかりと観察しながら、動ける体を作る。
これもまたスキルを上げていくゲームの様で、苦しくもありますが楽しい作業です。