スポーツ財団の調査によると、スポーツジムなどに通う "フィットネス人口" は増加傾向にあるものの、日本の "スポーツ人口" は徐々に減少しています。
特に、人数が必要で手軽に行えない団体スポーツの減少傾向は強く、中でも子供の野球の競技人口は10年前の2/3まで減少しています。
#坊主の高校球児に憧れない子供たち
#保護者に負担をしいる謎の風習
#視聴率至上主義で消えた野球放送
この主因が「少子高齢化」にある事は間違いありません。
スポーツは10代の頃に触れた競技を続ける事はあっても、大人になってから新しいスポーツを始める人は決して多くはありません。
#ゴルフなど社交系スポーツは除く
また残念ながら、スポーツを続けていても「スキル至上主義」の圧力によって辞めてしまう人も少なくありません。
目次
「スキル至上主義」が普及を阻む
スキル至上主義とは「スポーツスキルを高める事を重んじる思想」です。
そして、これを他人に無理強いする事で、スキルの低い人達のモチベーションをとことん潰していきます。
#悪魔
注意したい事は、スポーツには "チャンピオンスポーツ" と "レクリエーションスポーツ" という2つの捉え方があります。簡単に言うと「勝ちたい」か「楽しみたい」のどっちを優先的に考えているのかです。
例えば、マラソンで「順位やベストタイムを目標としている」のか「完走を目標としている」みたいな違いです。
実際に「楽しみたいのに、タイムをあげる事を強いられて嫌になって辞めた」みたいな、スキル至上主義の犠牲者も少なくありません。
#つらい
問題は、プロや余程の強いチームでなければ「チャンピオンスポーツとして取り組みたい人と、レクリエーションスポーツとして取り組みたい人が混在している」という事です。
そりゃスポーツなので上手いや速いに越した事がありませんが「レベルに合わせて楽しみたい人の存在」を無視しては、競技人口を減らす事に繋がり、結局スキル至上主義の人たちが「結果を出しても誰も注目してくれない」というブーメランを食らう事態に陥る可能性があるのです。
マイナースポーツの普及の為に
どのマイナースポーツ団体も、普及の為に試行錯誤を重ねていると思いますが、どの様な取り組みが有効になるかを少し考えてみます。
もちろん「オリンピックの様な注目度の高い大会で優勝し、メディアに出て人気者になる!」みたいな方法が王道かもしれませんが、時間とお金も掛かるし、そもそもオリンピック競技じゃない!といったスポーツも少なくありません。
ここで、大事になってくる要素は
■ 観ていて楽しいか
■ 手軽に参加できるハードルが用意されているか
このあたりになると思います。
選手が魅力的か
その競技の選手の魅力が "観戦者の入口" になる事は少なくありません。
例えば、オリンピックのスケートボードで優勝した堀米選手の様に「あれ?スケートボードってチャラチャラしたイメージだったけど、こんな好青年が活躍しているの?」と思い、ハイライト動画を観た人も少なくないはずです。
やはり、物事の普及には "魅力溢れるイメージキャラクター" が有効であり、更にはユニフォームがお洒落だったり「未経験者に、そのスポーツをプレーする自分をイメージさせた時に、魅力的な自分になっている事」が重要です。
観ていて楽しいか
これは比較的、団体スポーツが有利です。
観戦者が楽しいと感じる為には「より目線を動かし、より心を動かす」必要があります。
例えば、個人スポーツでも「団体戦」は一味違った盛り上がりを見せます。
柔道や体操の団体戦は、観戦者も手に汗を握る展開になる事も少なくありません。
近年、競泳ではISLという、様々な国籍の混じったチームが、得点を競い合う国際大会が盛り上がっています。
更には、どの競技も選手入場シーンで、格闘技を彷彿する様な "ライブエンターテイメント感" を取り入れる様になって来ています。
手軽に参加できるハードルが用意されているか
もうひとつは「参加しやすい環境づくり」です。
これは、既に多くのスポーツで導入しれている仕組みであると思います。
例えば、マラソンであれば、ハーフマラソンや10kmマラソンなどのカテゴリーを作る。
柔道であれば、大会意外にも昇段資格を受け、レベルにあったステップアップを図る事ができます。
この様な "小さなハードルを超え達成感" を味わう事で、そのスポーツの魅力にさらにハマり、より継続してそのスポーツにのめり込む様になる可能性が高まるはずです。
団体スポーツの時代は終わり?
やっぱり、スポーツを行う時に、大人数を集めるのは大きな手間がかかります。
更には、少子高齢化が拍車を掛け、徐々に団体スポーツの競技人口は減少しています。
団体スポーツでもサッカーがフットサルになり、ラグビーが7人制ラグビーになり、より少人数でも楽しめる様な工夫が凝らされて来ています。
例えスポーツに苦手意識がある人も "レクリエーションスポーツ" として楽しむ事ができる環境があれば、レベルに限らずスポーツを楽しめるはずなのです。
スポーツ人口が少しでも増え、もっと楽しくアクティブな人が増えたら、予防医療にも大きくプラスになり健康的な世の中になるはずです。