スポーツ競技をしている人で、身体のどこかしらに痛みを抱えている人が、多いのではないかと思います。
しかし、何故かその痛みを "宿命" として受け入れ、痛みを抱えながらプレーしたり、サポーターで誤魔化したりと、身体からの "黄色信号" を見て見ぬ振りをしたりしていませんか?
これを放置して、最終的に身体を酷使することで怪我が発生し、限界を感じ競技から離れてしまいます。
車に例えると、メンテナンスをしないで乗り続けた結果、10万kmも乗らずに廃車にしてしまう様なものです。メンテナンスをしっかり行えば20万kmでも乗り続けることは可能なのです。
身体の場合、老朽化したパーツを交換することは困難ですが、劣化した機能を蘇らせることが可能です。
その為には「なぜ痛みが起こるのかを理解すること」が、まずは重要です。
今回は、『身体の痛みが出る原因』についてお話ししたいと思います。
目次
筋肉の "過活動" とは?
筋肉の "過活動" という言葉は、過去の記事の中でも何度かお話しして来ましたが、身体に痛みが出る仕組みを理解する上でも、重要なので改めて説明します。
簡単に説明すると
『筋肉が縮まって拘縮 (硬くなる) している状態』です。
筋肉を触ったり押されると、硬くなっていて痛みを感じる時がありますよね?
これが筋肉が拘縮している状態です。
肘を曲げると力こぶが硬くなる様に、筋肉は縮むと硬くなります。
筋肉の過活動を腕で例えると、常に肘が曲がった状態になっている様なものです (大抵の場合は上部付着部である肩甲骨が前に引き出されます)。
つまり、筋肉が "過活動" を起こす事で身体のアライメント (骨格のバランス)が崩れが生じるのです。
拮抗筋と "相反抑制"
次に重要なキーワード "拮抗筋" と "相反抑制" について説明します。
筋肉縮むと反対側の筋肉が伸びる、伸びると縮む、といった様に拮抗関係にある筋肉のことを "拮抗筋" と呼びます。
例えば
上腕二頭筋 ⇄ 上腕三頭筋
大腿四頭筋 ⇄ ハムストリングス
大臀筋 ⇄ 大腿直筋・腸腰筋
筋肉が "過活動" を起こし拘縮すると、拮抗筋は本来あるべき状態より筋肉が伸びてしまいます。
以前の記事の中(#44 お尻の働きが劇的にあがる "ショルダーパッキング" の重要性)でもお話ししましたが、筋肉の "長さ−張力関係" という法則によって、筋肉が過剰に伸ばされた状態では筋出力が低下します。
この筋肉の過活動によって生じる、拮抗筋の筋出力の低下を "相反抑制" と呼びます。
相反抑制が起きている状態で、その筋肉を鍛えても、ターゲットとした筋肉が鍛えられないどころか、怪我を引き起こす可能性が高いのです。それが次にお話する "協働筋支配" です。
身体の痛みの原因 "協働筋支配"
身体の筋肉のサイズは部位によって大小様々です。
もちろん大きい筋肉ほど出力が強く、強い負荷にも耐えることができます。
一方で、小さい筋肉は出力が弱く、強い負荷には耐えることができません。
身体を動かす時、単一の筋肉だけを使うことはなく、大小様々な筋肉が連動して動作が起こります。
動作を起こす時に、最も出力を高くすべき大きい筋肉のことを 「主働筋」
一方で主働筋と伴に働く、比較的小さい筋肉のことを「協働筋」
と呼びます。
ここで先ほどの "相反抑制" により主働筋の出力が低下すると、"協働筋が働かざるを得ない状態" となり協働筋の働きが強くなります。
この状態を "協働筋支配" と呼びます。
協働筋は本来担うべき以上の負荷が掛かる為、オーバーワークとなり "痛み" となって現れるのです。
怪我が発生する具体例
ここまでの話をふまえて腰痛が起こる事例をあげてみます。
主働筋:大殿筋
拮抗筋:大腿直筋・腸腰筋
協働筋 (一例):脊柱起立筋・ハムストリングス
腸腰筋や大腿直筋が "過活動" を起こすと、大殿筋の働きが "相反抑制" により低下します。その為に、脊柱起立筋やハムストリングスが過剰に働く "協働筋支配" が起こります。
この過剰な負荷に脊柱起立筋が耐えられず、"腰痛" が生じます。
または "ハムストリングスの肉離れ" もこのパターンで生じる、よくある事例です。
この様に、怪我が起こる仕組みを知ることで "怪我起こった本当の原因" が見えてくるのです。
まとめ
痛みや怪我は身体が発する警告信号です。
"スポーツパフォーマンスを向上させる" という視点から考えても、ただ患部だけを治療するのではなく、怪我の根源を見つけることが非常に重要になります。
特に今回その中で抑えて欲しい
「筋の過活動」「相反抑制」「協働筋支配」
の3つのキーワードを取り上げました。
痛みや怪我と真剣に向き合うことで、身体の能力を閉じ込めていた手かせ足かせを外すチャンスがあります。
以前からしつこくお話していますが「怪我した場所に怪我の原因はない」ということを念頭に置いて考えることで、何かヒントが見つかるかも知れません。
たまたま川崎にいたので、生歌を聴いてきましたが、あのデュエットは最強ですね~、サブイボでした。
名前の由来は「音楽的化学反応を起こす」だそうですが、あの2人の協和音は正にその通りだと思います。
あんな綺麗にハモれたら最高に気持ち良いでしょうね。
全く関係ないですが、スマホアプリと専用マイクを連動させてカラオケをするマイクがあるので、今度車でカラオケ大会でもやりたいと思います。