慢性的な腰痛を抱えている人は『体幹部の筋群の発火が遅い』と言う事が分かっています。
筋肉の "発火" とは、脳から神経を通して筋繊維に『働け!』と指令を出して実際に働く事を言います。
腰椎骨盤帯(体幹やコアと呼ばれる部分)の筋群は "あらゆる動作の直前に発火する事" が理想とされています。
慢性的な腰痛を抱える人は、この部分の筋群の発火が遅い事で動作中に不安定になり腰痛を引き起こすのです。
目次
腰痛が起こる仕組み
以前の記事でもお話しした様に
#22 腰痛を引き起こす主な3つの原因 ~筋・筋膜性腰痛の改善~
#36 腰痛と膝痛を姿勢から改善する “下四半機能不全症候群” の改善法
腰痛は腰痛骨盤帯(以下コア)が不安定になる事により、腰部の筋肉に過剰な負担が掛かり起こります。
動作中にコアが不安定にならない様にする事を考えると、股関節や胸椎の可動性(モビリティ)やコアの安定性(スタビリティ)は非常に重要な要素になります。
しかしこれらの要素がクリアな人や、スポーツを行っていない日常動作しかしていない人でも腰痛を抱えている人は多いと思います。
人間は身体を動かす為に、脳から神経を通して筋肉に指令を送っています。
例えば腕を前に伸ばす動作をする時、無意識に腕を動かす筋群が発火する直前にコアの筋群が発火して安定を保っています。
この様にあらゆる運動動作の中でも常に『身体の中心に近い部分の筋肉から発火させる』事が質の高い動作を起こす為には必要になります。
慢性的な腰痛を抱えている人は、神経が筋肉に指示を出す回路にエラーが発生していると考えられています。
腰痛を改善する為には、この神経筋回路を "再教育" して行く事が重要になるのです。
コアの発火速度の再教育
腰痛を改善する為に、コアのインナーマッスル(腹横筋・内腹斜筋・多裂筋・骨盤底筋・横隔膜)を強化する事は重要です。
また同時にアウターマッスルも骨盤や脊柱の安定に必要になってくる為、強化する必要があります。
しかし、これらの筋群をいくら強化しても発火するタイミングや速度が遅いと意味がありません。
動作中にコアが不安定になりやす人は、これらの筋群の強化と同時に発火する "タイミング" や "速度" を再教育するトレーニングが必要になります。
『人間は末端に力を入れる事でコアに力が入る。』
この反応を利用してこの様なトレーニングやこの様なトレーニングで、コアの筋群の発火のタイミングを再教育します。
また以前にご紹介した様に瞬発的にコアをトレーニングして行く事で、コアの発火の速度を速めましょう。
#63 持久的に鍛えるだけでなく "瞬発的" なコアトレーニングをすべき
まとめ
慢性的な腰痛を抱えている人は、コアの筋群の発火速度が遅い可能性が高く改善が必要です。
あらゆる運動動作で "常にコアの筋群から発火する" 事が重要になります。
これを改善させる為にはコアの強化のみならず、脳から筋肉への神経伝達回路を再教育して行く事が重要です。
高強度のトレーニングを行うだけでなく、是非基本的な身体の機能を見直して見てください。
【今日のつぶやき】
夏の甲子園大会は大阪桐蔭の春夏2連覇で終焉しましたが、ベスト4を決める金足農業の試合の「9回ウラ劇的なサヨナラ逆転2ランスクイズ」見ましたか?勝利を目前に敗北を喫した近江高校の選手を見て、W杯のアディショナルタイムで逆転ゴールを許したサッカー日本代表を思い出しました。
この最後に勝敗を分ける差はきっと実力じゃない何かなのだと思います。大谷選手曰くそれは『人間力と運を引き寄せる力』なのだそうです。